■議論の整理・・・
インターネットが普及した現代において、ベンチャー企業だけではなく大企業においても新規事業を開発する意味が高まっている。とくに、大企業においては、地方自治体や大学など社外の知見や技術を取り入れて、革新的な商品、サービス、ビジネスモデル等を構築する流れが生まれている。あらゆる種類の商品が大量に流通している現代、新たにヒット商品を生み出すことは至難の業である。そこで、複数の分野で蓄積されてきた知見や技術を組み合わせ、革新を生み出す「オープン・イノベーション」の重要性が高まっているのである。
■問題発見・・・
しかしながら、「オープン・イノベーション」は、目的や課題を共有するのに時間がかかり、するべきことが見えなくなってしまう。それでは効率的であるとは言えないのではないか。
■論証・・・
論文※1は、有名な成功物語のなかにも、先行するビジネスモデルの模倣があると指摘している。私は、当論文が提起するように、モデリング=模倣をポジティブに捉えて、新規事業の取り組み方を考えることが有効であると考える。とはいえ、現代の新規事業は、関連する分野が多岐に渡る傾向がある。例えば、農業に関連する新規事業を立ち上げる場合、生産技術、物流システム、IT技術、人材育成などが複雑に絡み合っている。そのため、モデルのバリエーションを増やして整理・分類し、適切に選択できるデータを構築する必要性がある。
■結論・・・
そこで私は、これからの新規事業の方向性を探りつつ、新規事業のモデルとなる事例を収集・整理・分類し、効果的なモデリングの提案を行うためのビッグデータ構築の方法を探求していきたい。
■結論の吟味・・・
早稲田大学商学部は、「歴史、文化などに関する教養に裏づけられた専門知識と倫理観を持ち、国内外のビジネスをはじめとする多様な分野において、リーダーシップを発揮しうる人材の育成」をミッションとし、多様な分野の専門家から構成されている。私は、井上達彦研究会にて、新規事業創造のためのモデリング手法を学びつつ、それを他の分野の知見と結びつけながら、リーダーシップが発揮される環境づくりを進めたい。そこで、早稲田大学商学部井上達彦ゼミに入会することを希望する。
論文※1井上達彦(2011)「ビジネスモデル発想による事業の創造と再構築」『早稲田商学』第429号(早稲田大学)
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