■議論の整理・・・
企業の組織力を向上させようとするとき、組織内の相乗効果(インターアクション)を、どのように高めるかが課題となる。相乗効果を上手く活用すれば、論文※1で指摘されているように、「他者を自分自身の思い通りに動かし、自身に有利な場面を作り出すことができる」。さらに論文※1は、相乗効果がイノベーションにつながる可能性を指摘している。相乗効果は、組織の行動や意思決定に制約を与える一方、上手く活用すれば、企業の成長につながることがある。
■問題発見・・・
景気がいいとは言えない現在の日本において、急成長を見せている企業は、効果的な相乗効果を生んでいるはずである。そのような企業をモデルに、人事制度、評価制度、経営者と従業員の距離感、事業の新規性など、相乗効が生まれる関連性をパターン化できるのではないか。
■論証・・・
社内・社外のネットワークを活用して、相乗効果を生み出そうとしても、それぞれの要素をどのように活用すればいいのか分からない企業は多い。企業の成長が特定の人物に支えられているとき、その人物が去ったとたんに企業の成長が停滞することがある。その場合、個人の資質に依存する体制を脱却することが必要となる。そこで、複数の業種の企業における、制度、雰囲気、業界を取り巻く状況などを整理し、客観的に相乗効果をパターン化することが有効である。
■結論・・・
私は、企業が組織力を向上させようとする際に、モデルとなるネットワークのパターンが必要とされていると考える。そこで私は、企業規模や立地、業種、社内の雰囲気などを踏まえて、相乗効果が生まれるネットワークのパターンを提示する。そして、効果的に組織力を向上させるための対策を提案していきたい。
■結論の吟味・・・
三橋平教授は、企業組織の相乗効果だけではなく、生活など身近な相乗効果に関する研究も行っている。私は三橋ゼミに所属することで、サークルやアルバイトなど、大学生活で出会う組織も学びの場にしつつ、企業組織力を向上させるためのネットワーク研究を進めていきたい。
論文※1三橋平(2010)「組織のインターアクションに関する研究」『MCCマガジン』https://www.keiomcc.com/magazine/report84/
コメントを残す