早稲田大学 教育学部 外国学生入試・帰国生入試 志望理由書 提出例(堀誠ゼミ向け)

 

■議論の整理

 

日本文化は中国文化の影響を強く受けながら形作られてきた。中でも、日本語文学作品の中には漢文学の影響を受けているものが多い。現在でも漢文が必修とされるのは、日本が漢文を通じて学び・発展してきた国だからであろう。日本文学を知る上では、中国文学を知ることが不可欠である。

 

■問題発見

 

江戸時代後期に曲亭馬琴によって書かれた『南総里見八犬伝』は、水滸伝に大きな影響を受けている。儒学を学んでいた馬琴は、仁義礼智信孝忠悌を日本的に解釈し、その必要性を八犬伝を通して説いたように思う。八犬伝を通じて当時の子どもたちは様々なことを学んだだろう。馬琴はどのようにして中国の思想を日本で受け入れられる小説に変容させたのだろうか。

 

■論証

 

馬琴は『南総里見八犬伝』を執筆すると同時期に『傾城水滸伝』を発刊している。『水滸伝』の英雄たちを日本の女性に変え、男女を逆転させた作品である。中国文学への知見があった馬琴が、本来の設定と男女を逆転させて書いた背景には、何か理由があったはずだ。『水滸伝』の設定のままだと日本では受け入れられないと思ったのか、そのまま日本人に書き換えるだけでは面白くないと思ったのか。想像することしかできないが、八犬伝執筆のかたわらに記されたこの作品には、馬琴の『水滸伝』への考え方が現れているのではないだろうか。

 

■結論

 

中国文学に大いに影響を受けた作家について研究する上で、下地となった文学を知ることは当然必要になることだ。曲亭馬琴の思想について学ぶために、馬琴が好んだと考えられる『水滸伝』と、並んで四大奇書に挙げられる『西遊記』について理解を深めたい。

 

■結論の吟味

 

以上の理由で、早稲田大学教育学部国語国文学科に入学し、堀誠教授の下で学ぶことを強く希望する。

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