慶應義塾大学 法学部 小論文 2003年 解説

・ 問題文

〔問題] 以下の文章を読み、著者の議論を踏まえて、「公共化する身体」という考え方に関するあなたの意見を述べ、それと関連 づけて、公共性の問題一般について、自由に論じなさい。

・ 問題の解き方

 5STEPsで書いていく。

・ 模範解答

議論の整理……

筆者は、臓器移植という医療行為の出現が、私達の身体を公共化していると述べている。なぜなら、脳死判定をくだされた際に、私達の身体は公共化されることがあるからである。例えば特に欧米では、特別な意思表示をしない限り、こうした場合、身体の公共化がなされる。

問題発見……

だが、ここでの疑問は、死の一歩手前にある「脳死」の判定は果たして正しくなされるのか? 「脳死」の判定がた正しいとしても、死の一歩手前にある善良な人間を、他の人間の生存のために活用することは倫理的な正しいか? といったような倫理面での疑問である。

論証……

まず、大前提として、死の一歩手前にある「脳死」の判定が医療従事者によって正しく行われるのか、という疑問がある。実際に移植を受けられる臓器提供希望者が全体の2%を切る中で、あらゆる医療従事者は臓器提供者を探すことに対する強いインセンティブを持っているため、こうした判断を医療従事者に委ねるべきか否かは検討の余地がある。
続いて、もし仮に脳死の判定が正しく行われていたにせよ、臓器提供カードに賛意を示したり、あるいは拒否をしなかった善良な市民の身体が公共化されることの是非である。こうした人々を脳死の段階ではなく、最後の死の段階まで看取ることが倫理的に正しいのではないかという疑問も当然ありうる。

解決策or結論……

こうした問題の解決策or結論としては、殺人犯の活用が挙げられる。殺人犯であれば、死刑執行中であれば必ずどのフェーズの臓器提供者であるかが明確に理解できる。また、善良な人間の死がないがしろにされるといったような死の間際における危機的な状況も起こりにくいだろう。

解決策or結論の吟味……

また、こうした解決策or結論は、殺人被害者の遺族の心情にも沿ったものであり、かつ再犯者を社会に出したくないという社会の要請にも適っている。

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