早稲田大学 スポーツ科学部 AO入試 志望理由書 提出例(秋本崇之研究室向け)

  • 議論の整理

生体において、骨格筋ほどダイナミックなものは存在しない。重力や運動、拍動や血流などによる様々なメカニカルストレスに対し、組織の恒常性を維持する為に骨格筋のような運動器は常に応答し続けなければならないからである。この役割を果たす上で骨格筋の可塑性制御は欠かせないものであり、そのメカニズムを詳細に解明することは重要である。先行研究などから、ヒトゲノム中のタンパク質をコードしないノンコーディングRNAの一種である、マイクロRNAが転写後調節などの生体のダイナミクスな機能制御に関連していることが分かってきた。

  • 問題発見

貴研究室では、これまでにマイクロRNAのプロセシングに必須の酵素であるDicerを欠損させたマウスを用いた研究により、マイクロRNAが生命維持にとって必須である可能性を報告してきた。このin vivoの系での研究を培養細胞レベルに応用できないだろうか。

  • 論証

In vitroの筋生物学研究においては、2次元培養法により培養したサンプルが用いられてきたが、生体における細胞外因子と細胞間の相互作用が再現できないという課題が存在している。そこで私は、より生体内に近い状態だと考えられる細胞スフェロイドを3次元培養法を用いて培養し、マイクロRNAに対する細胞応答を調べたいと考えている。

  • 結論

より単純なモデルとしての培養細胞を用いることで、マイクロRNAによる生体制御メカニズムをより詳細に解明することが期待できる。またこのような骨格筋の可塑性制御研究は、例えば寝たきりの高齢者における骨粗鬆症のリスク上昇などの今日的課題とも関連が深いものである。高齢化が進む我が国において、この研究の意義はますます深まっていくことが予測できる。

  • 結論の吟味

組織工学的手法を用いて筋生物学研究を行うにあたり、骨格筋組織構築技術や逆遺伝学的技術に精通している貴研究室で学ぶことを強く希望する。

参考文献

Oikawa, M. Lee, N. Motohashi, S. Maeda, and T. Akimoto(2019).“An inducible knockout of Dicer in adult mice does not affect endurance exercise-induced muscle adaptation“ Am J Physiol Cell Physiol. 316(2):C285-C292

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