- 議論の整理
野球、フットボールとともにアメリカの3大スポーツとして数えられるバスケットボールは、NBAの観客動員数が4年連続で更新されるなど、近年ますます人気を博している。日本においても2016年に統一リーグであるBリーグが発足するなど、バスケットボール熱は高まっていると言えよう。コーチング技術の向上が望まれることは言うまでもなく、一流選手の技術を学術的に分析しその競技力を規定する因子を特定する必要性が増している。
- 問題発見
他のスポーツと比べて厳しい時間の制約の中でのプレイを求められるバスケットボールにあっては、素早く的確な状況判断能力が特に求められると言える。実際、プレイ中の特定の局面においては、状況判断能力と競技力に相関関係が見られたことが報告されている。このような現状を踏まえ、八坂・青柳は速攻やスクリーンなどの7種類のオフェンス局面における状況判断能力を評価する方法を提案している。一方でディフェンス局面において同様の評価法を提案することはできないだろうか。
- 論証
八坂・青柳の先行研究では、ディフェンスは相手の動きに対応して行われる為行動の自由度が低いとの理由からその評価法は提案されなかった。確かに、ディフェンス局面のテストはオフェンスのものと比べて簡単であり、受験者間の得点差は生まれにくいかもしれない。しかしながら、その解答速度を記述子として規定することでこの問題は解決できるのではないだろうか。
- 結論
さらなる展望としては、ディフェンス局面での評価法とオフェンス局面での評価法による状況判断能力の試験結果にどういう関係があるのかを分析したいと考えている。私もバスケットボール経験者であるので、この研究が自身やチームに好影響を与えるものだろうと考え、非常に興味を持っている。
- 結論の吟味
上記研究を行うにあたって、多くの一流バスケットボール選手を指導し、その競技力の要因を第一線で分析してきた倉石教授のもとで学ぶことを強く希望する。
参考文献
八坂昭仁、青柳領(2014)「バスケットボールの状況判断能力テストバッテリーの作成と評価方法の検討」『コーチング学研究』, 27(2), 179-194
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