早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(柏雅之研究室向け)

  • 議論の整理

過疎化の進む我が国の中山間地域において、従来の農業、農村の在り方が限界を迎えている。このような事態の打開策として、イギリスにおける地域再生政策の成功例から学ぶべき点は多く存在する。先例では社会的企業の果たした役割が大きいということを鑑みると、日本においても社会的企業の事業拡大を促すような公民両方向からの支援が求められるといえる。農業経済学では、このような独立採算型経営体を従来の集落営農や自治体依存型公社と比較し、新しい財供給の論理を構築してきた。

  • 問題発見

当該領域において、柏教授は社会的企業の財供給拡大を支える地域システムについて論じている。この論においては、社会的企業がコミュニティへの貢献を目的として掲げる限り、中山間地域直接支払い金の集中配分という形での経営資源提供と、自治体による比例補助金によるコミュニティと行政を包含した段階的支援システムの可能性が提示されている。一方で、この論ではアメリカのような営利企業のCSR活動をも含めた社会的企業の文脈については触れていない。新しい農村ガバナンス構築における民間セクターとの連携はどのようにしてなされるのだろうか。

  • 論証

この問題を考えるにあたっては、社会的企業と民間セクターとの間の互酬関係を明確にする必要がある。民間セクターから提供できるのは人材や経営ノウハウをも含めた多様な経営資源であることは想定できるが、社会的企業から民間セクターへ与えることができるものについては不明瞭であり、その価値の位置づけがなされていない。従って、事例研究などから民間セクターにとってのメリットを分析していく必要があると考える。

  • 結論

本研究は中山間地域における、社会的企業を含めた新規の営農システムの可能性を広げるものであり、我が国の地域再生の手がかりとなることが期待できる。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、日本の農業経済学領域において農山村地域再生をテーマに数多くの研究を重ねている柏教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

柏雅之(2013)「社会的企業の役割-農業・農村領域におけるイギリスと日本との比較研究-」『フードシステム研究』20(2), 155-163

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