早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(樋口直人研究室向け)

  • 議論の整理

現代社会では世界的なナショナリズム先鋭化の波が広がっており、日本においてもそれは例外ではない。ヘイトスピーチのような排外主義活動が連日メディアで報道されるようになり、心を痛めるような事態が散見されている。社会学領域ではこのような反移民感情を規定する要因を計量分析により理論的に提示してきた。そこで明らかとなったのが、職業や学歴などで分かたれる社会的な属性と、支持政党などから示唆される排外主義感情との関連である。一方で、日本における研究の歴史は浅く、今後の研究の積み重ねが待たれているのが現状である。

  • 問題発見

経済分配をめぐる政治的対立軸と社会変動の影響を受ける社会文化的対立軸を二次元的枠組みに落とし込んだキッチェルトの図式は、属性と排外主義の関連を分析するうえで非常によく用いられるが、ここで利用される媒介変数の挙動には、欧米諸国と日本の間で明確な相違が存在することが報告されている。具体的には社会経済的地位を示すパラメータであり、特に日本の場合、学歴や収入と排外主義には有意な関係が認められないとされている。それでは、この結果を生み出す社会的背景とは何であろうか。

  • 論証

欧米諸国における調査結果においては、社会経済的地位の低い層が排外主義の基盤になるとの見方が一般的であった。日本においてこの言説が否定される背景には、そもそも移民と接触する機会が少なく、社会経済的地位の低い層にあっても競合による反移民感情が芽生えにくいことが考えられる。つまり、日本において主に移民が属する職業層は国民が従事する職業層とほとんど重なっていないことが原因であると推察される。この仮説に基づき、まずは欧米諸国と日本において移民が従事する職業層の比較検討を行いたい。

  • 結論

この研究は日本型排外主義が形成される仕組みの一端を解明することで、社会的不寛容をめぐる諸問題に対処するための知見を提供できるものと考えている。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、国際社会学分野において主に排外主義をテーマに、活動家への聞き取り調査などの多くの優れた実証的研究を行ってきた樋口教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

樋口直人 (2019) 「排外主義への社会学的アプローチ──社会学的説明の検討と日本への示唆──」『エモーション・スタディーズ』 4, 17-25

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