早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(大石雅彦ゼミ向け)

議論の整理・・・

ロシアは長年非凡な芸術家を輩出してきた。長いロシア美術の歴史の中でも、とりわけ私が惹かれるのはロシア・アヴァンギャルドである。この時代を代表する作品の一つには、カジミール・マレーヴィチの《白地の上の黒い正方形》がある。これは、絵画の表現と鑑賞者の体験を問い続けてきた先に生まれた無の空間であり、抽象絵画の到達点と考えられている。ロシア・アヴァンギャルドは絵画以外にも、文学や音楽、演劇、建築など幅広い分野の芸術に広がった。同じ時代に活動する芸術家同士や様々な知識人との交流は芸術家の思考を深め、芸術の質をより一層高めたと考えられる。例えば、カジミール・マレーヴィチの芸術活動において、未来主義オペラ《太陽の征服》(1913)上映を通しての未来派の詩人との交流が、無対象絵画への飛躍につながったといわれている。マレーヴィチはこのオペラで舞台美術を担当した。芸術界だけではない。第一次世界大戦とロシア革命という政治社会の熱気は芸術家に多大な影響を与えたと推察される。1920年代は相対性理論が浸透し、アヴァンギャルド芸術の4次元思想に変化が起きた。社会に起きる全ての事柄と芸術は深く結びついているのだ。

問題発見・・・

外部からの影響を受けて、芸術作品が制作されるとすれば、その作品がまた別の作品や社会情勢、人の人生などに影響を及ぼすのではないだろうか。

論証・・・

芸術作品が持つ影響力を読み解いていくことで、芸術は何のために存在するのかというもっと大きな問いにもつなげることができるだろう。他者に影響を与え合う、コミュニケーションツールとしての芸術の役割を考察してみたいと考えている。

結論・・・

この研究を進めるために、ロシア・アヴァンギャルドに詳しい大石雅彦教授のもとで学びたいと考えている。

大石雅彦『マレーヴィチ考――「ロシア・アヴァンギャルド」からの解放にむけて』 2004、人文書院

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