議論の整理・・・
近年、地震や台風などの自然災害の被害が相次いでいる。特に東日本大震災地震、津波、原発被害、風評被害と災難が重なり、いまだに影響が残る地域もある。このような大震災を契機にコミュニティを基盤にした組織や活動の重要性に焦点が当てられるようになってきた。それがより力を発揮するための制度的な枠組みや支援の仕組みを整える方策の可能性で研究が進められている。研究において必要な災害データについてはアーカイブが蓄積されてきている。それと同時に、被害地域の記憶もアーカイブ化が進められていく。被災前の地域の日常を記録として残すことは、地域生活を振り返ることでもあり、住民のアイデンティティの形成につながることが期待されている。そして、地域の復旧作業を行うことは地域の結束力を強め、精神的なダメージから回復するための基盤の形成に繋がっていくと考えられている。
問題発見・・・
コミュニティの希薄化が問題視されている大都市において、災害に備えるためのコミュニティと、絆の形成をどのように進めていけば良いのだろうか。
論証・・・
災害において地域における近所付き合いや隣人同士の信頼関係の必要性について明らかにしていきたい。これまでのデータを分析した上で、都会の生活において無理なく形成できるコミュニティのあり方を模索していきたい。それは災害予防のためのみならず、問題視されている核家族化や高齢化社会において犯罪予防などの役割も果たすのではないかと考えられる。
結論・・・
上記について貴学文化構想学部にて自然災害科学・防災学に精通した浦野正樹教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。
浦野正樹・大矢根淳・吉川忠寛編著「復興コミュニティ論入門」弘文堂2007年 12月
浦野正樹「被災者の生活再建への道程」自治体学研究/65, pp.62-691995年
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