議論の整理・・・
1930年代から40年代にかけては2つのメディア規制が日本において実施されていたことが知られている。ひとつめは内務省によって明治時代から第二次世界大戦終戦までの間帝国日本において行われていた。もうひとつは戦後にアメリカ軍のGHQによって行われた検閲である。メディア媒体によっても検閲には違いが見られる。例えば総合雑誌は政論を掲載するメディアであり、文芸雑誌は主要な作家が掲載するため多くの読者の目に触れることから、厳しい検閲の対象となっていた。
問題発見・・・
検閲に対して作家らはどのような姿勢を持っていたのだろうか。真っ向から反発したり、検閲の目をすり抜ける手法を使ったり、逆らうことなく自由が許されている範囲で表現を行うなど、様々な立場が予想される。検閲があったことは彼らの表現にどのような影響を与えたのだろうか。
論証・・・
当時出版されていた作品と、出版を想定せずに書かれた日記や書簡などの私的文書を研究する中で、上記の課題について考察を行なっていく予定である。検閲の基準と成果についても学ぶことで、GHQの意図と作家らの温度差を明らかにすることができるだろう。
結論・・・
上記について貴学文化構想学部にて20世紀日本文学に精通した十重田 裕一教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。
十重田裕一「引き裂かれたメディア・イメージ・本文―― 編集と検閲の視点をてがかりに(日本語版) 」pp.137-140, pp.121-123 2009 年 5 月,越境する日本文学研 究――カノン形成・ジェンダー・メディア(日本語書名),New Horizons in Japanese Literary Studies:Canon Formation,Gender,and Media(英語書名) 勉誠出版
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