議論の整理・・・
現代社会はメディアが生み出す情報に満ちている。1970年代からはテレビの登場した。それまで人々に届けられる情報は、新聞やラジオの文字・音・画像情報であった。しかし、テレビで映像が届けられるようになったことで、それぞれのニュースがリアルな実感を伴うものとして届けられるようになった。芸能人の結婚や不倫、遠くで起きた事件や犯罪は視聴者に何の影響も与えないはずであるのに、人々は大きな関心を寄せる。会ったこともない他者について憤慨したり心を痛めたりすることで、同じ習慣を繰り返しながら生きている自分の生活の退屈さを埋めているのだ。テレビによって常に感情が刺激されることで、いつも何か楽しいことをしてなくてはならないという強迫観念が生まれ、退屈な日常という贅沢が失われたと指摘されている。
問題発見・・・
テレビ以上に現代の私たちの日常に浸透しているメディアがSNSである。全ての人が情報の受信者であると同時に発信者であるというこのメディア特有の性質を鑑みると、SNSはテレビ以上に人々の考え方に変化を与え、理想の日常生活像を変えているのではないだろうか。
論証・・・
メディア論に関する先行研究を学ぶことで、これまでのメディアが人々の生活に与えてきた影響がより明らかになる。その上で、SNSについての分析を深め、人々の日常生活の変化を関係づけて研究をまとめていく。「取るに足らない」日常生活というものは通常記録に残っていないと考えられるため、民俗学分野の研究を参照したり、インタビューなどを行うことで補っていく必要があると予想される。
結論・・・
上記について貴学文化構想学部にてメディア論に精通した長谷正人教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。
長谷正人「メディアはなぜあるのか」マス・コミュニケーション研究(78)p.3 – 182011年01月–
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