議論の整理・・・
アイルランド出身のサミュエル・ベケットは20世紀を代表する作家の1人である。彼は主にフランスのパリで活動しており、小説のみならず、演劇、テレビ、映画、ラジオなど様々な媒体で作品を発表した。彼は作品ごとに新しい手法を試みており、特に演劇においては言葉や仕草のリズムを重視した演出に評価が高い。そこには能や俳句の影響も見られることが指摘されている。散文においてもベケットは独自の世界観を表現しており、特異な光景や、切り詰めた語り、描写の錯綜、モノローグなどに特徴が現れている。その斬新な表現方法は1969年のノーベル賞受賞理由としても挙げられている。
問題発見・・・
サミュエル・ベケットの演劇作品は、これまで劇場でどのように上映されてきたのだろうか。後世の演出家は彼の作品をどのように解釈し、アレンジしているのだろうか。
論証・・・
演劇の面白さは時代によって演出家、舞台装置、俳優などが異なる点である。時代の移り変わりや国によっても差があるだろう。それらの記録を比較研究する中で、それぞれが時代背景や演出家の個性などをどのように反映しているのか評価し、解釈の多様性や作品の普遍的な要素を明らかにしていく。その結果を通してサミュエル・ベケットの作品の特徴や演劇そのもののさらなる可能性を検討していきたいと考えている。
結論・・・
上記について、サミュエル・ベケット研究に精通した岡室美奈子教授のもとで研究を進めることを希望する。
岡室美奈子、川島健編著「ベケットを見る 八つの方法―批評のボーダレス」水声社、 2013 年
岡室美奈子、長島確、川島健編著「サミュ エル・ベケット!―これからの批評」水声社、 2012 年
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