2019年 上智大学外国人入学試験 経済学部・経済学科 小論文 解答例

選択したテーマ:森林伐採問題

1.

議論の整理……

森林伐採問題とは、森林を無計画に伐採することで、森林破壊が進むことである。これまで世界各国では、焼き畑農業、土地の開発、生活燃料など、さまざまな理由で森林を伐採してきた。森林伐採によりその国の経済がうるおったと言ってもいい。

問題発見……

しかしながら、森林破壊が進むと、地球温暖化が進む、生態系が変わる、資源が枯渇するなど、地球レベルで悪影響が出てくることが分かってきた。

論証……

そのため近年は、別の形で農作物を育てる、新たなエネネルギーを開発するなど、森林伐採に依存せずに経済を回す方法が模索されている。

問題となるのが、森林伐採に依存している国ほど、経済的に発展していないことである。とくに森林の消滅が深刻なのは熱帯雨林エリアである。このエリアに住んでいる人々が豊かで便利な生活をしているケースは少ない。

結論……

そのため、農業技術や最新の設備を提供するなど、地球規模の森林破壊を防ぐために技術的・経済的サポートをおこなう事例も増えている。(405文字)

2.

議論の整理……

森林伐採問題は、発展途上国の問題として位置づけられているが、実際は先進国の問題であると私は考える。日本をふくめてすべての先進国は、森林を伐採することで発展してきた。木材で家を建てる、それを燃やしてエネルギーを生み出す、開墾して農作物をつくるなど、森林を伐採することを通じて経済がうるおったと言ってもいい。

問題発見……

また、先進国がリーダーシップをとり、発展途上国の森林を伐採させることで、自国の経済を発展させてきた歴史も忘れてはならない。

論証……

現在、森林伐採は、先進的な考えを持っていない人たちが、先のことを考えずにやっていると言われがちだ。しかしながら実際は、先進国が森林伐採を含めた経済発展モデルを確立し、発展途上国はそのモデルに従っているだけなのである。

結論……

そのため先進国は、まずは森林伐採を自らするべき「反省」と捉えなければならない。

吟味……

そのうえで、森林伐採に依存している発展途上国を支援しなければ、持続的な経済発展は実現しないだろう。(409文字)

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