上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(西山悦子ゼミ向け)

■ 議論の整理
養護教諭の職務は、保健体育審議会答申に基づき、専門性を生かして児童生徒の健康を保持増進するための活動を行うことであると定められている。しかし近年、児童生徒の心身の健康問題は複雑化・多様化している。これらの新たな局面に取り組むためには、指導体制の一層の充実を図ること、その体制における養護教諭の役割が極めて重要であると言われている。

■ 問題発見
養護教諭はその職務上、自らが看護師のように治療や措置を行うことは制限されているが、その知識を活かしたコーディネーターのような役割が期待されている。児童生徒の心の問題においても、観察から子どもの抱える問題を発見し、担任やスクールカウンセラーにつなぐことが大事である。養護教員に対しては養成の段階ではもちろんのこと、職務に就いた後もいじめや虐待など新たな問題に対処するための研修等が数多く実施されてはいるが、問題が多岐にわたるため、基本的には養護教員一人一人の専門性や力量頼みになることも多い。

■ 論証
西山教授らの面接調査によると、熟練した養護教諭は早い段階で子供が抱える問題を予測し、様々な方法で情報収集を行い、情報を整理統合し、 問題を明確化した上で、新計画を立案し対応していることが明らかになった。この調査からもわかるように、教育的な視点と臨床的な視点を併せ持つ養護教諭の強みに加え、実働において蓄積された知識や経験が生かされているといえる。しかし、この調査がすべての状況に当てはまるわけではないため、経験の少ない養護教諭に対しては、問題を意識化し、発見につながりやすくなるような教育的素材などの開発も必要ではないだろうか。

■ 結論
養護教員の対応の質的向上のためには、目まぐるしく変容する現場で対応する教員の声を聴き、子どもの心身の問題への対応を共に考えながら、進めることが重要である。私も子どものメンタルヘルスケアについての知識を蓄えつつ、現場との連携の中で教育素材開発を行いたい。
■ 結論の吟味
上述の課題について取り組むために、養護教員養成とその質的向上に尽力されている貴学の西山悦子教授のゼミに入会することを強く希望する。

西山悦子他(2013) 中村恵子, 塚原加寿子, 伊豆麻子, 栗林祐子, 大森悦子, 佐藤美幸, … & 西山悦子. . 心の健康問題をもつ子どもの養護診断・対応に関する研究. 新潟青陵学会誌, 5(3), 1-9.

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