■ 議論の整理
私の出身地はイエズス会士フランシスコ・ザビエルが来訪した地でもあり、幼いころから近世のキリスト教伝道をめぐる史跡に触れる機会が多かった。そのせいもあって、近世のキリシタンの歴史に関心を持ち、史学科に進学し、日本史を学びたいと考えるようになった。
■ 問題発見
しかし、戦国時代から織豊政権の歴史は特に、諸外国、特に西洋との接触と影響を抜きにしては語ることができない。例えばザビエルという人物がどんな背景や経歴を持っているか、ザビエルを東方に向かわせた要因は何か、なぜ日本のような小国にまで立ち寄ることになったのかといった疑問に応えていくためには、グローカルな広がりを視野に入れて多面的、学際的に学ぶことが重要である。ではそのような問いを追求するための専攻は「日本史」でよいのかと疑問を持つようになった。
■ 論証
そんな折、貴学のサイトで川村教授が学生に向けたメッセージを読み、「日本史」、「東洋史」、「西洋史」といった枠組みは便宜的なものであり、教授自身がその枠組みを軽々と超え、多面的な研究の成果から1つの時代を描き出していることを知り、教授の担当している授業や論文の内容はもちろん、その学際的な方法論に興味を持った。そして、1つの分野にいながら、日本史だけではなく西洋史、さらにはイエズス会の伝道史にも精通しているであろう神学部の先生方から学べる貴学の環境に魅力を感じた。
■ 結論
私は将来、歴史博物館の学芸員として、地域を核としたグローカルな歴史展示や、語り部育成に取り組みたい。また地域の人や中高生を対象として、教科書的歴史知識が奥行きのある面となるような体験を提供する歴史ワークショップやフィールドワークを企画したい。そのためには、私自身が既存の枠組みにとらわれず、しかし自分自身の専門性を打ち立てていけるよう学生時代に精進したい。
■ 結論の吟味
上記の目的を追求するために、川村信三教授のゼミに入会し、隣接分野の教授や学生との交流にも積極的に参加したり、海外研修や留学などの制度も積極的に活用しながら学びを深めることを強く希望する。
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