上智大学 文学部 特別入試 志望理由書 提出例(荻野弘之ゼミ向け)

■ 議論の整理
「幸福とは何か」、「私の人生の目的とは何か」。私は以前、県内の高校生が集う合宿イベントで、グループでこの問いについて話し合った。参加者はそれぞれ自分の経験を踏まえて、「部活の後に風呂に浸かっている時」、「勝利したとき」、「好きな人や親友と過ごしている時」と思い思いに答え始めた。その際に気づいたことは、進行役の問いの立て方や発問によって、参加者一人一人の思考が活性化し、前述のような主観的な回答から、「幸福」という概念そのものについて様々な角度から検証するような内容に辿り着いたことだ。進行役は哲学を専攻する大学生で、その時私は、人類に共通する普遍的で哲学的な概念を対話という手法で様々な切り口から問い直すことに関心を覚えた。

■ 問題発見
では、人にとって「幸福とは何か」。この問いに対して、古今東西の哲学者たちはどのように向き合ってきたのだろうか。

■ 論証
私はこの古くて新しい問いを考えるにあたり、哲学の源泉であるギリシャ哲学に遡ってみたい。日本の若者の幸福感とは何かというように、現代社会の文脈で、ミクロデータを踏まえた調査に基づく実証的な研究もあるが、私の関心は現代につながる幸福論の変遷にある。荻野教授が設定しているように※、それは自足的で主観性ですべて説明できるものなのか否か、能動的なのか受動的なのか、自力か他力かといった様々な分析軸を設定しながら、古代ギリシアを出発点に、俯瞰してみたい。

■ 結論
さらに、私はこの問いを人間にとっての「生きがいとは何か」という問いに発展させていきたい。精神科医であった神谷恵美子さんは1967年の著作『生きがいについて』の中で、古今東西の哲学者や聖人の言葉、自分自身の喪失体験、ハンセン病患者との交流や対話から、生きがいについてを深く掘り下げている。幸福と生きがいの接点は何か、私自身も哲学的観点から掘り下げ、現代に生きる私たちの幸福論へと繋げていきたい。

■ 結論の吟味
上記の問題を哲学的概念や対話の手法によって深めるために、貴学の荻野弘之教授のゼミに入会し、学ぶことを強く希望する。

※荻野弘之. (2018). 「幸福とは何か?」 という問いを考えるために. 哲学科紀要, (44), 1-26.

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