上智大学 文学部 特別入試 志望理由書 提出例(鈴木守ゼミ向け)

■議論の整理
近年、多くのスポーツ分野でメンタルトレーニングが導入され、効果を上げている。メンタルトレーニングの歴史は1950年代、旧ソ連の宇宙飛行士の訓練を皮切りに、西洋諸国でオリンピック選手向けに導入され、以後、日本でも認知・導入されるようになった。日本での導入が諸外国に比べて遅れた背景には、メンタルトレーニングが西洋近代科学に由来する心理学に基づくものであり、日本固有のスポーツ精神論や指導法との間には葛藤があったことが一因として考えられる。
■問題の発見
しかし、現在では日本の伝統的競技においても、メンタルトレーニングの効果は多々報告されており、「東洋の身体知や技法」と「西洋由来の心理手法」を対置するだけでは、その諸相を捉えることはできない。幼少期から弓道に親しんできた私の実感としても、一見相容れないように思える日本の伝統的身体知の教授法とメンタルトレーニングの間に親和性や共通項も多く見受けられる。
■論証
そこで、次の疑問を学問の面から問い直してみたい。
日本の武道の指導者は、どのように日本古来の身体知の技法と、西洋由来のメンタルトレーニングの指導法に折り合いをつけ、受容し、指導しているのだろうか。また欧米諸国の武道の指導者との間には指導の文化的差異や共通性は見られるのだろうか。
■結論
この問題を検証していくにあたり、スポーツの歴史や方法論を文化的な現象として捉えなおす、文化論の知見を参考に、実践現場を観察することが有効だと考える。具体的には、国内外でメンタルトレーニングを導入している指導者や選手へインタビューし、比較分析を行いたい。また、私自身が弓道の練習にメンタルトレーニングを導入することでどのように変化するのか、エスノメスドロジーの手法を頼りに、検証してみたい。
■結論の吟味
そのために、スポーツ文化論の分野で先進的な研究をされている鈴木守教授のゼミに入会し、分析のための視点や手法を学びたい。また、国内外の思想の多様性を認め、人間と世界の理解を奨励する貴学の学習環境で学ぶことを強く希望している。

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