上智大学 外国語学部 特別入試 志望理由書 提出例(田村梨花ゼミ向け)

■ 議論の整理
私がブラジルに関心を持ったきっかけは、リオのカーニバル、サンバやボサノバなどの音楽など、混血の国が生んだハイブリッドで力強い文化に触れたことだった。そこからブラジルを知るにつれ、貧困や暴力といった社会問題の存在を知り、その解決のための住民主体の社会運動や、国境を越えて世界に影響を与えたパウロ・フレイレの成人教育に関心を抱くようになった。
現在ブラジルにおいて重視されている「包括的教育」とは、連邦政府による基礎教育の学習時間の拡充(全日制を視野に入れた)と、人権、環境、文化、健康といった学際的で、ノンフォーマル養育で重視される概念を取り入れた実践を2本柱とした教育である※。この公教育の動向には、パウロ・フレイレ とその継承者による、成人教育の実践の伝統との強い関連性が見て取れる。

■ 問題発見
田村教授によると、「包括的教育」においては概念上もプログラムにおいても豊富なノンフォーマル教育の蓄積やNGOの実践知が重要視されている。しかし、政策実施においては政府は全日制化を、NGOは教育運営の民主化とエンパワメントの側面を重視するといった温度差が見受けられると言う。

■ 論証
教育などの制度の改変には時間を要するが、ノンフォーマル教育の目的が導入された学校と地域の連携は、貧困をはじめとした様々な地域社会の問題解決のための開かれた対話の場としての可能性を秘めていると考える。田村教授が注目している学校連絡会や基礎自治体といった、住民や地域と学校を繋ぐ仲介者の役割が注目される。

■ 結論
さらに、何より学校や行政担当者を動かすのは、子どもや地域住民の変容や、地域社会の状況改善であろう。住民の側から変化の兆しを追っていくためには、学校や地域におけるフィールド調査が有効であると考える。

■ 結論の吟味
そこで、貴学の田村梨花教授のゼミに入会し、ブラジル社会の人類学的研究のための知識や手法を学び、さらにポルトガル語学科の授業を通して、ブラジル社会についての理解を深め、フィールドワークができる語学力を身に付けることを強く希望する。

※田村梨花(2015) 「ブラジルにおける包括的教育の概念と実践に関する一考察」 ラテンアメリカ論集(49):61-78

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