議論の整理・・・貴学の論文(※1)では、オセアニアの環礁の自然環境が移りゆくものであること、南北アメリカの先住民の人口がヨーロッパ人の渡来によって激減した結果自然環境が変わってしまったことなどを挙げ、文化人類学の射程でも自然環境を自明視してはいけないとする。このうち、人間と自然との関わりで自然環境が変わることを前提としたエコロジーに、ランドスケープ・エコロジーがある。
問題発見・・・しかし、現在でもなお、エコロジーと言えば自然を手つかずのものとして残すことだと考えられ、人間が改変する自然が必然的にあるということはともすれば考慮されていない。
論証・・・人間の活動もまた自然の一員なのだから、人間が自然を改変するのは蟻が自然を改変するのと同じレベルで同義である。したがって、人間が介入しない自然など幻想に過ぎない。ここにランドスケープ・エコロジーの重要性はある。
結論・・・そこで私は、ランドスケープ・エコロジーの現代に実践的な可能性について研究したい。
※1山口徹(2013)「絡み合う人と自然の歴史学に向けて:その学際的広がりにもとづく理論的考察」
コメントを残す