■議論の整理・・・
日本は、大企業だけではなく地方の中小企業が海外マーケット参入を試みるケースが増えている。中小企業が海外販路拡大に取り組むときに課題となるのが、輸出が小規模であるためコストがかかる点ある。大企業の場合、大型スーパー等に参入しやすく、現地工場で安価に商品を製造することも可能である。それに対して中小企業の場合、複数の会社が合同で輸出するなど、個々で工夫しているケースが多い。国内マーケットの縮小にさらされている今、効率的に行える貿易方法の理論化が求められている。
■問題発見・・・
海外取引を加速させるうえで、中小企業は貿易条件面でさまざまな課題に直面している。現場の声を聞きながら課題を把握し、どのような取引条件が適切であるのか、理論的な枠組みを提示する必要があるのではないか。
■論証・・・
報告書※1では、国際輸送サービスの利用実感の調査を通じて、事業規模の大きさや売り上げによる選択基準の変化を調査している。それを分析することで、事業の規模に応じて、「利用する」「利用しない」の増減のパターンがあることを明らかにした。億単位の取り引きが可能である大企業とは対照的に、中小企業の場合は取引額・量が限られている。そのため、適切な国際輸送サービスが分からずに、結果として不利な条件で取引を進めているケースがあると私は考える。
■結論・・・
私は、海外取引状況を調査するにあたり、中小企業の事例に特化する。取引に関わる条件や制約は海外エリアの状況により変化する。そこで私は、海外市場のなかでも注目度が高い、東南アジアと取り引きしている中小企業を調査対象としていきたい。
■結論の吟味・・・
田口尚志教授は、国際貿易制度や実務に精通しており、実態調査による研究もしている。そこで私は、田口尚志ゼミに所属することを希望する。
報告※1田口尚志(2004)「第14章 国際航空運送と定型取引条件-Ex系,Delivered系を中心として-」『我国における航空貨物運送の実態調査-よりよい航空貨物運送の実現のために-』(日本大学経済学部産業経営研究所、産業経営動向調査報告書)
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