早稲田大学商学部AO入試・志望理由書・提出例(小倉一哉ゼミ向け)

■議論の整理・・・

厚生労働省は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」と「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」という現状を踏まえ、就業の機会を増やして意欲や能力を発揮できる環境づくりを進めている。これは「働き方改革」と呼ばれ、法律の制定を含めて対策が検討されている。長時間労働、正規・非正規のあいだの格差、少子化による労働人口の不足が、「働き方改革」を進めるうえでの課題とされている。

■問題発見・・・

少子化における労働力の不足を解消するために、退職した高齢者の再雇用が促進されている。しかしながら、高度な技術や知識を持った高齢者が、正当な待遇を受けていないと、問題化する事例も出てきている。そこで、「働き方改革」を進めるためには、高齢者の再雇用をめぐる問題を整理し、適切な基準を設ける必要があるのではないか。

■論証・・・

論文※1では、日本の年次休暇の未取得率についてアンケートを実施し、マクロデータを構築している。そのうえで理論仮説を設定し、統計を用いた実証的な分析をすすめている。「働き方改革」に関連する調査は、企業の就業の実態が露呈させることでもある。そのため、前向きに協力が得られることが少なく、十分なデータが取得されていないというのが現状だ。それは、私の関心である高齢者の再雇用とその待遇の問題も同様である。

■結論・・・

私は、高齢者の再雇用をめぐる問題を整理するにあたり、論文※1の方法を応用することが適切であると考える。そこで、高齢者の再雇用を積極的に行っている複数の企業にアンケート調査を依頼し、現状の課題と解決方法を提示したい。

■結論の吟味・・・

小倉一哉教授は、労働時間、賃金、非正規労働、労使関係など、企業と被雇用者に関連する政策や問題を研究している。そこで小倉一哉ゼミに所属を希望するに至った。

論文※1小倉一哉(2004)『年次有給休暇に関する経済分析』(学位申請論文・早稲田大学)

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