■議論の整理・・・
2012年に、アメリカの証券取引委員会(SEC)が、国際会計基準であるIFRSの導入に関する最終報告書を発表した。IFRSがグルーバルスタンダード化することで、日本経済にどのような影響が出るのか、大きな話題となった。海外に複数の子会社がある企業は、IFRSを導入することにより、経営管理や業務比較がシンプルに行える。その一方、導入するときに、業務の負担が増したりコストが増えたりする可能性が高く、不安を感じる企業も多い。
■問題発見・・・
日本企業は、国際会計基準を導入することで、海外における資金調達がスムーズになるなど、メリットも大きい。しかしながら、実際に導入している企業が少ないことから、具体的なメリット/デメリットや、導入後の変化が十分に把握されていないのではないか。
■論証・・・
報告書※1は、IFRSを導入することで、メリットであるはずの財務諸表の透明性や比較可能性は低下すると指摘した。国に対して、十分に吟味せずにIFRSを導入することの懸念を報告した。IFRSは、これまでの日本の会計基準と大きく異なるため、経済活動を停滞させる可能性がある。また、会計基準が変わることで、日本企業の価値が、根底から覆される可能性もある。とはいえ、日本企業のグルーバル化が進む今、そのメリットを積極的に活用するための環境整備は必須である。
■結論・・・
私は、会計基準が国際化することで、日本における企業の価値を評価する基準が、どのような変わるのか、積極的に考える必要があると考えている。そこで、利益、コスト、不動産、ブランドなどの価値が、会計基準の変化によりどのように左右されるのか、明確に示す研究に取り組みたい。
■結論の吟味・・・
スズキトモ教授は、IFRS導入が話題になったとき、金融庁の依頼を受けて報告※1を提出した実績がある。そこで私は、会計基準の国際化に精通しているスズキトモ教授のゼミに参加することを希望する。
報告※1スズキトモ(2012)「日本の経済社会に対するIFRSの影響に関する調査研究」(金融庁)https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20120614/01.pdf
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