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常葉大学 健康プロデュース学部スポーツ健康科学科 一般推薦入試 2025年度 小論文過去問解説(インクルーシブ体育とアダプテッド)

常葉大学 健康プロデュース学部スポーツ健康科学科 一般推薦入試 2025年度 小論文過去問解説(インクルーシブ体育とアダプテッド)

問【解説】

設問文

「インクルーシブ体育・スポーツ」や「アダプテッド」の重要性を踏まえて、高等学校において体育授業への参加を希望する生徒の見学者をなくすためにどう対応したらよいのかについて、あなたの考えを800〜1,000字で述べなさい。

課題文の整理

課題文は、障害児の学校体育への参加状況を示し、参加できなかった理由には医学的理由以外のものが多いと述べる。さらに、障害のある児童生徒が主体的に参加できるよう、個人の実態に合わせてルール、用具、施設、教材、指導方法を修正する「アダプテッド」の考え方が、インクルーシブ体育・スポーツを実現する基本的方法であると説明している。

設問条件の判定

  • 制限字数: 800〜1,000字
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: インクルーシブ体育・スポーツとアダプテッドの重要性を踏まえ、具体的対応を800字以上で論じる設問であるため。

解答プロセス

  • STEP1 議論の整理: 課題文は、見学の原因が障害そのものだけでなく、学校側の知識不足や指導方法の未整備にもあることを示している。
  • STEP2 問題発見: 設問は、高校体育で参加希望者の見学をなくすための対応を求めている。
  • STEP3 論証: 見学が起こるのは参加方法が用意されないからであり、その原因は教員が生徒の実態に応じて教材・ルールを調整する仕組みを持たないことにある。
  • STEP4 解決策: 事前面談、個別参加計画、ルール・用具・役割の調整、教員研修、振り返りを組み合わせる。
  • STEP5 吟味: 安全確保は必要だが、安全を理由に一律見学にするのではなく、参加の形を複数用意することが妥当である。

問【解答】

高等学校で体育授業への参加を希望する生徒の見学者をなくすには、障害の有無で参加と見学を分けるのではなく、一人ひとりの実態に応じて参加方法を設計する必要がある。課題文が述べる「アダプテッド」は、ルール、用具、施設、教材、指導方法を生徒に合わせて修正する考え方であり、インクルーシブ体育・スポーツの基礎になる。

問題は、見学の理由が医学的理由だけではない点である。障害があるから参加できないのではなく、授業の方法が一つしか用意されていないために参加できない場合がある。たとえば球技で走る速さだけを重視すれば、運動機能に制限のある生徒は参加しにくい。しかし役割、ルール、用具を変えれば、同じ授業に参加できる可能性は広がる。

まず必要なのは、授業前の個別確認である。本人、保護者、担任、保健体育教員、養護教諭が話し合い、できること、避けるべき動き、本人が希望する参加の仕方を共有する。そのうえで、個別の参加計画を作り、毎時間の目標を「全員と同じ動きをすること」ではなく「安全に身体を動かし、仲間と学ぶこと」に置くべきである。

具体的には、ボールを柔らかいものに替える、コートを狭くする、移動距離を短くする、得点係や作戦係を運動参加と組み合わせる、ペア活動を導入するなどの工夫が考えられる。視覚や聴覚に困難がある生徒には、音、色、触覚、合図の出し方を変えることも有効である。こうした調整は特別扱いではなく、誰もが学びやすくなる授業改善である。

また、保健体育教員だけに任せず、学校全体で研修を行う必要がある。アダプテッドの考え方を知らなければ、教員は安全を理由に見学を選びがちである。事例を共有し、授業後に本人の感想を聞いて改善を重ねれば、参加の方法は蓄積される。

もちろん、医師の指示などにより本当に運動を避けるべき場合もある。その場合でも、完全な見学ではなく、審判、記録、分析、作戦づくりなど学習への参加を保障するべきである。見学者をなくすとは、全員に同じ運動をさせることではない。生徒が自分の身体状況に合った形で仲間と体育を学べるようにすることが、共生社会につながる対応である。

字数カウント: 882字

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