議論の整理
私の志望理由は、東京大学法学部法学科で働く人の尊厳を守る制度を、単なる条文知識ではなく、社会の変化に応じて設計し直す学問として学びたいからである。過去の経験として、高校でアルバイト経験のある友人に話を聞く中で、シフト変更、休憩、賃金、相談先について、本人が不安を感じても権利として説明できない場面が多いことに気づいた。神吉 知郁子先生の専門である労働法は、雇用関係の中で弱くなりやすい立場を制度的に支える視点を与えてくれる。
問題発見
私が考えたい問題は、若者が働き始める入口で、契約の形式や職場の慣行を十分に理解しないまま、不利な条件を受け入れてしまうことである。特に、アルバイト、インターン、業務委託、副業の境界が曖昧になると、労働者として保護されるのか、自分でリスクを負うべきなのかを判断しにくい。学校で労働法を体系的に学ぶ機会が少ないことも、問題を個人の我慢や交渉力の不足として処理してしまう原因になっている。
論証
この問題を解くには、労働法を知識として広めるだけでは足りない。なぜなら、実際の職場では、契約書の文言、勤務実態、指揮命令関係、職場内の力関係が重なり、本人だけでは権利侵害を認識しにくいからである。東京大学で憲法、民法、行政法などの基礎を固めたうえで労働法を学べば、労働者保護と企業活動の自由を対立的に見るのではなく、双方を成り立たせる制度条件を考えられる。
解決策or結論or結果
入学後に学びたいことは、判例や制度の学習を通じて、非正規雇用、ハラスメント、労働時間、労働条件明示の問題を具体的に検討することである。ゼミでは、若者向けの労働相談や学校での法教育を題材に、どの段階でどの情報を示せば自分の権利を判断しやすくなるかを研究したい。私の将来像は、労働政策や企業の人事制度に関わる仕事を通じて、働く前から権利と責任を理解できる社会づくりに貢献することである。
解決策or結論or結果の吟味
もっとも、法的保護を強めるだけでは、企業が柔軟な働き方を用意しにくくなる可能性もある。そのため私は、規制の強弱だけでなく、情報開示、相談体制、教育、紛争解決の手続を組み合わせて考える必要があると考える。神吉先生の労働法の視点から、働く人を守ることと、多様な働き方を支えることを両立させる制度設計を学びたい。さらに、制度を知らない人ほど声を上げにくい現実を踏まえ、法の専門性を社会に開く姿勢も大切にしたい。
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