静岡大学 人文社会科学部社会学科 前期日程 2021年度 小論文過去問解説(地域社会を学ぶ意義)
問1【解説】
設問文
問 社会学科で学ぶことに関して、次の三つのキーワードのうちから一つを選んで、720字以内で論じなさい。解答にあたっては、小論文に題目をつけ、解答用紙の題目欄に記入すること。キーワード:国際、マイノリティ、地域社会
課題文・資料の要点
設問は、社会学科で学ぶことに関連して、三つのキーワードから一つを選び、自分の問題意識を720字以内で論じる形式である。ここでは「地域社会」を選び、地域を単なる地理的範囲ではなく、人々の関係、制度、格差、協働が現れる場として論じる。
設問条件の判定
- 制限字数: 720字以内
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: キーワードを選択し、社会学科での学びと結びつけて論じる問題である。
解答プロセス
- STEP1 要件確認: 設問が求める「三つのキーワードから一つを選ぶこと」「題目をつけること」「社会学科で学ぶこととの接続」を720字以内で述べる。
- STEP2 問題設定: 「地域社会」は、人口、産業、福祉、教育、災害、文化が重なる生活の場である。
- STEP3 論証: 地域課題は個人の努力だけでは解けず、制度と人間関係の両方から分析する必要がある。
- STEP4 解決策: 社会学の学びは、地域の声を可視化し、協働の仕組みを考える力につながる。
- STEP5 吟味: 地域を美化せず、閉鎖性や排除の問題も見る必要がある。
問1【解答】
題目:地域社会を学ぶ意義
私は、社会学科で学ぶうえで「地域社会」は重要なキーワードだと考える。地域社会とは、単に同じ場所に住む人々の集まりではない。そこには家族、学校、職場、自治会、行政、福祉、産業、文化が重なり、人々の生活を支える仕組みと矛盾が同時に現れる。
現代の地域社会では、人口減少、高齢化、空き家、交通の縮小、災害への備え、外国人住民との共生など、多くの課題が生じている。これらは個人の努力だけでは解決できない。たとえば高齢者が買い物に行けない問題は、本人の体力だけでなく、バス路線、商店の配置、家族関係、福祉制度と結びついている。社会学は、このように個人の困難を社会の構造から考える視点を与える。
また、地域社会には支え合いの力もある。住民同士の見守り、子ども食堂、防災訓練、祭りや文化活動は、人々が孤立せずに暮らす基盤になる。ただし、地域を美化しすぎてはならない。地域には、よそ者への排除、性別役割の固定、同調圧力も存在する。だからこそ、誰の声が届き、誰が沈黙させられているのかを調べる必要がある。
社会学科で地域社会を学ぶ意義は、身近な出来事を個人の問題として終わらせず、制度や歴史、人間関係の中で理解する点にある。聞き取り調査、統計資料の分析、地域活動への参加を通じて、表面には出にくい困難や資源を明らかにできる。私は地域社会を学ぶことで、生活者の声を可視化し、多様な人が参加できる地域づくりを考えたい。
字数カウント: 623字



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