ここでは、大妻女子大学大学院人間文化研究科現代社会研究専攻情報コミュニケーション専修の2026年度修士課程一般選抜I期小論文について、Web技術の進歩と今後の展開を扱う解答例を示します。
【小論文】
【解説】
■ 設問文
設問は、インターネットにおけるWeb技術の進歩の経緯を説明したうえで、今後の展開の可能性を論じる形式である。字数指定は確認できないため、1000字以上で作成する。
■ 設問条件の判定
設問は、インターネットにおけるWeb技術の進歩の経緯を説明したうえで、今後の展開の可能性を論じる形式である。字数指定は確認できないため、1000字以上で作成する。
■ 解答プロセス
STEP1 議論の整理:静的Web、動的Web、Web2.0、スマートフォン、クラウド、AIの順に技術変化を整理する。
STEP2 問題発見:Web技術の進歩を単なる便利化ではなく、情報発信、社会関係、個人データの扱いの変化として捉える。
STEP3 論証:閲覧中心から参加型、さらにAIによる対話型・自動化型へ変わった経緯を説明する。
STEP4 解決策・結論:今後は対話型AI、現実空間との接続、データ主権が重要になると結論づける。
STEP5 吟味:設問の二要求である「経緯の説明」と「今後の展開」の両方に答え、字数指定なしのため1000字を超えているか確認する。
【解答例】
インターネットにおけるWeb技術は、情報を一方向に閲覧する仕組みから、利用者が参加し、データを相互に結び、さらに知的処理を行う基盤へと発展してきた。初期のWebは、HTMLで書かれた静的なページをブラウザで閲覧することが中心であり、大学、研究機関、企業が情報を公開し、利用者は検索やリンクを通じてそれを読むという形をとっていた。この段階では、Webは印刷物や掲示板を電子化した性格が強く、発信者と閲覧者の役割は比較的明確に分かれていた。その後、サーバー側のプログラム、データベース、Cookie、JavaScriptなどが普及し、Webページは利用者の操作に応じて内容を変える動的なサービスになった。電子商取引、検索エンジン、ブログ、SNS、動画共有、地図サービスなどは、この変化の上に成立した。特にWeb2.0と呼ばれた時期には、利用者がコメント、写真、動画、評価、位置情報を投稿し、それ自体がサービスの価値になるようになった。Webは情報の置き場ではなく、社会的関係と経済活動を組織する場へ変化したのである。さらにスマートフォンの普及により、Webは机上のブラウザだけでなく、日常生活の移動、購買、学習、医療、行政手続きと結びついた。同時に、クラウドコンピューティング、API、暗号化通信、レスポンシブデザインなどが進み、異なるサービス同士が連携し、利用者は端末や場所を意識せずに情報を扱えるようになった。近年は、生成AI、推薦アルゴリズム、音声認識、画像認識がWebサービスに組み込まれ、利用者が探す前に情報が提示される傾向が強まっている。今後の展開として第一に考えられるのは、Webが検索中心から対話中心へ移ることである。利用者はキーワードを入力して多数のページを読むだけでなく、AIエージェントに目的を伝え、予約、比較、要約、文章作成、学習支援を一括して行わせるようになる。第二に、Webは現実空間との結びつきを強める。拡張現実、位置情報、IoTが発展すれば、店舗、学校、病院、交通機関の情報がその場で重ねて提示され、画面内のWebと現実の行動がより連続する。第三に、個人データの扱いが重要な争点になる。便利なサービスほど、閲覧履歴、購買履歴、健康情報、学習履歴などを大量に利用する。そのため、技術の発展だけでなく、同意、説明可能性、セキュリティ、データ主権をどう確保するかが問われる。Web技術の進歩は、人々の知識へのアクセスを広げ、社会参加の機会を増やしてきた一方、偽情報、監視、格差、依存も生み出した。したがって今後のWebは、単に高速で便利な情報基盤を目指すだけでは不十分である。利用者が自分のデータと判断を管理でき、公共性の高い情報が信頼可能な形で流通し、多様な人が使える設計を備えることが必要である。Web技術の次の課題は、知能化した情報環境を人間の主体性と社会的信頼に結びつける点にある。
字数カウント:1206字
【小論文以外】
該当する小論文以外の設問はありません。
出典:大妻女子大学大学院 人間文化研究科現代社会研究専攻情報コミュニケーション専修 修士課程一般選抜I期 2026年 小論文 公式PDFをもとに作成。


