ここでは、大妻女子大学大学院人間文化研究科現代社会研究専攻情報コミュニケーション専修の2026年度修士課程外国人留学生入試II期小論文について、メディアによる世論形成を扱う解答例を示します。
【小論文】
【解説】
■ 設問文
設問は、現代の日本社会におけるメディアによる世論形成の現状と問題について、「情報社会論」の観点から論じる形式である。解答字数は800字以内のため、720字以上800字以内を目安に作成する。
■ 設問条件の判定
設問は、現代の日本社会におけるメディアによる世論形成の現状と問題について、「情報社会論」の観点から論じる形式である。解答字数は800字以内のため、720字以上800字以内を目安に作成する。
■ 解答プロセス
STEP1 議論の整理:新聞・テレビだけでなく、SNS、ニュースアプリ、検索・推薦アルゴリズムまで含めてメディアを整理する。
STEP2 問題発見:世論形成が情報接触の個別化と感情的拡散によって歪む点を問題にする。
STEP3 論証:フィルターバブル、感情的投稿の拡散、発信者責任の不明確化を根拠に挙げる。
STEP4 解決策・結論:検証機能、プラットフォーム透明性、情報リテラシー教育の必要性を述べる。
STEP5 吟味:設問の「現状」と「問題」の両方を情報社会論の観点から扱い、800字以内に収める。
【解答例】
現代の日本社会におけるメディアによる世論形成は、新聞やテレビのようなマスメディアだけでなく、SNS、動画サイト、ニュースアプリ、検索エンジンの推薦機能を通じて行われている。情報社会論の観点から見ると、世論は市民が同じ情報を共有して理性的に討議した結果だけでなく、情報の選別、可視化、拡散の仕組みによって作られる。第一の現状は、情報接触の個別化である。かつては多くの人が同じ新聞やテレビ番組を通じて社会問題を知ったが、現在は個人の閲覧履歴や関心に合わせてニュースが表示される。これは関心に合う情報へ早く到達できる利点を持つ一方、異なる意見に触れにくくなる。第二の問題は、感情を刺激する情報ほど広がりやすいことである。怒り、不安、嫌悪を誘う投稿は反応を集めやすく、プラットフォーム上で目立つ。その結果、複雑な政策課題が単純な善悪や敵味方の構図に置き換えられ、熟議よりも動員が強まる。第三に、発信者の範囲が広がったため、専門家、政治家、報道機関、市民、匿名アカウントの情報が同じ画面に並ぶ。このことは多様な声を可視化するが、情報の根拠や責任の所在を見えにくくする。また、短い動画や見出しだけで判断される情報は、統計や歴史的背景を伴う説明を省きやすい。したがって、現在の世論形成の問題は、メディアが人々を一方的に操作することだけではなく、利用者自身も拡散や沈黙を通じて世論形成に参加している点にある。対策としては、報道機関の検証機能、プラットフォームの透明性、学校教育での情報リテラシーを結びつける必要がある。世論形成を健全にするには、速さや話題性だけでなく、根拠を確認し、異なる立場を比較する公共的な情報環境が不可欠である。市民も、共有する前に出典を確認し、反対意見を排除しない態度を持つべきである。
字数カウント:747字
【小論文以外】
該当する小論文以外の設問はありません。
出典:大妻女子大学大学院 人間文化研究科現代社会研究専攻情報コミュニケーション専修 修士課程外国人留学生入試II期 2026年 小論文 公式PDFをもとに作成。


