名古屋大学 法学部 2014年 小論文 過去問解説

■ 答案構成

問1.

安心社会の定義
団主義的秩序の定義
個人主義的秩序の定義

に言及する5STEPの議論の整理の「議論の前提」と「それぞれの相違点」を使うと良い。

問2.

これは、5STEPを使って解く問題。

議論の整理→ 筆者の主張と社会現象の例証
問題発見→ 具体的な社会現象で生じた変化とは何か
論証→ 具体的な社会現象で生じた変化の原因
結果→ 具体的な社会現象で生じた変化の結果
結果の吟味→ 具体的な社会現象以前との比較

 

■ 答案例

安心社会の定義

安心社会とは、集団主義的秩序や個人主義的秩序によって安心が提供される社会のことである。

集団主義的秩序の定義

集団主義的秩序とは、排他的集団内でお互いを監視し、仲間を裏切った人間を集団から排除して安心を生み出す秩序のことで、ある程度の機会費用と少ない取引費用で維持できる。

個人主義的秩序の定義

一方、個人主義的秩序とは、個人の行動を普遍的な行動基準である法や契約によって拘束して安心を生み出す秩序のことで、その維持には機会費用はかからないが大きな取引費用が必要になる。

 

安心社会とは、集団主義的秩序や個人主義的秩序によって安心が提供される社会のことである。
集団主義的秩序とは、排他的集団内でお互いを監視し、仲間を裏切った人間を集団から排除して安心を生み出す秩序のことで、ある程度の機会費用と少ない取引費用で維持できる。
一方、個人主義的秩序とは、個人の行動を普遍的な行動基準である法や契約によって拘束して安心を生み出す秩序のことで、その維持には機会費用はかからないが大きな取引費用が必要になる。
(217字)

 

問2.

議論の整理→ 筆者の主張と社会現象の例証

これからの日本社会は、「安心社会」から、「信頼社会」へ移行することになるだろうという筆者の主張の具体的な社会現象の例証として、よく知っている店でなくインターネットの通信販売で買い物をする人が増えてきたことを挙げる。

問題発見→ 具体的な社会現象で生じた変化とは何か

ここでインターネット通信販売の利用者の増加について生じている変化とは、自分のよく知らない店でも買い物をするようになってきたということだ。筆者の議論で説明すると、安心が保障されていない相手との間に関係を作るようになってきたということだ。

論証→ 具体的な社会現象で生じた変化の原因

たとえば、インターネットの通信販売を利用する理由として、たくさん選択肢があって、自分の欲しいものが手にはいるからということが挙げられる。これは筆者の主張する、安心が保障されていない新しい相手との間にできた関係のおかげで、様々な資源が獲得できるということだ。

結果→ 具体的な社会現象で生じる変化の結果

このように、インターネットの通信販売の利用者が増加するという社会現象について生じている変化は、安心が保障されていない相手との間に関係を作るようになって様々な資源が獲得できるようになってきた。つまり「信頼社会」へ移行しているということである。

結果の吟味→ 具体的な社会現象以前との比較

よく知っている店を利用する利点としては、昔からなじみの店で、店主が店の評判を気にしているから変なものは販売しないだろうという点である。つまり、安心が保障された相手との間の関係で筆者の言う「安心社会」である。しかし、様々な資源を獲得する機会を放棄することによって、機会費用を支払うことになるから、人はインターネットの通信販売を利用するようになる。これは筆者の言う「信頼社会」である。
よって、筆者の議論では、これからの日本社会は「安心社会」から「信頼社会」へと移行することになるだろうと説明される。

 

これからの日本社会は、「安心社会」から、「信頼社会」へ移行することになるだろうという筆者の主張の具体的な社会現象の例証として、よく知っている店でなくインターネットの通信販売で買い物をする人が増えてきたことを挙げる。
ここでインターネット通信販売の利用者の増加について生じている変化とは、自分のよく知らない店でも買い物をするようになってきたということだ。筆者の議論で説明すると、安心が保障されていない相手との間に関係を作るようになってきたということだ。
たとえば、インターネットの通信販売を利用する理由として、たくさん選択肢があって、自分の欲しいものが手にはいるからということが挙げられる。これは筆者の主張する、安心が保障されていない新しい相手との間にできた関係のおかげで、様々な資源が獲得できるということだ。
このように、インターネットの通信販売の利用者が増加するという社会現象について生じている変化は、安心が保障されていない相手との間に関係を作るようになって様々な資源が獲得できるようになってきた。つまり「信頼社会」へ移行しているということである。
よく知っている店を利用する利点としては、昔からなじみの店で、店主が店の評判を気にしているから変なものは販売しないだろうという点である。つまり、安心が保障された相手との間の関係で筆者の言う「安心社会」である。しかし、様々な資源を獲得する機会を放棄することによって、機会費用を支払うことになるから、人はインターネットの通信販売を利用するようになる。これは筆者の言う「信頼社会」である。よって、筆者の議論では、これからの日本社会は「安心社会」から「信頼社会」へと移行することになるだろうと説明される。
(719字)

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