☆ フィンテック
議論の整理……
現在の日本では、多くの国民が老後の不安を抱えているため銀行預金を欠かさな い。一方で、企業は貸し剥がしの恐怖がいまだに根強く、優良企業であればあるほ ど銀行融資を利用せずに堅実な経営を続けている。
問題発見……
そうした中で問題になっているのが、預金額と貸出額のギャップである。銀行は 企業に融資をすることで、その金利を利益として経営を続けている組織だが、貸出 先の企業がないにもかかわらず、預金が大量に集まるため、そのギャップに苦しん でいる。成長企業への貸出や、中小零細企業への貸出に進出しようにも、そのため の与信ノウハウが十分無いのが現状である。
論証……
こうした与信ノウハウの欠如は、ひとえにデーターを精査する余裕を現在の銀行 員が持っていないためである。たとえば、ベンチャー企業であっても、毎月の振込 が安定しており、粗利率が高い事業に限れば倒産確率は他のビジネスモデルよりも かなり低い。だが、決算資料からこうしたビジネス特性を見抜くことはかなり困難 だ。
解決策or結論……
このような事情から考えても、企業の通帳データーなどから、ビジネスの特性を 瞬時に把握した上で、最大限の与信枠を確保した上で、確実に回収できるような仕 組みを整えることは、銀行の業績を上げる上で極めて有用であることがわかる。
解決策or結論の吟味……
近年注目を集めているフィンテックはまさしくこうした場合に非常に効果を発揮 する。多くの場合与信では、人間の経験則や雑な統計を参考にして与信基準を決め るが、こうした基準には瑕疵があるケースも多い。回収できた融資とそうでない融 資の膨大なデーターを分析し、ディープラーニングした上で新たな法則性を見出す などの試みにも期待が集まる。
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