慶應義塾大学 経済学部 1985年度 小論文模範解答
議論の整理……
その原因は、資本主義特有の景気メカニズムにある。構造的に好況と不況とを繰り返すサイクルの中で、不況時には1930年代に用いられた手法と同様の財政拡大政策を行う必要がある。だが、好況時になってもこうした支出は既得権益のために残さなければならない。このメカニズムを幾度と無く繰り返した結果として、政府の役割はますます膨張したのである。
問題発見……
論証……
解決策or結論……
解決策or結論の吟味……
その原因は、資本主義特有の景気メカニズムにある。構造的に好況と不況とを繰り返すサイクルの中で、不況時には1930年代に用いられた手法と同様の財政拡大政策を行う必要がある。だが、好況時になってもこうした支出は既得権益のために残さなければならない。このメカニズムを幾度と無く繰り返した結果として、政府の役割はますます膨張したのである。
特に、今日の日本において問題となっているのは高齢者に対する過剰なまでの国民福祉である。そもそも、年金というのは保険制度であるから、生活保護などと同じように財産がなく困窮している際に支給すれば財源的な問題は一気に解消するだろう。にもかかわらず、実際には金融資産を大部分を持っている高齢者でさえも、年金を受給しており、そうした高齢者のために若者が多額の年金保険料を請求されている現状がある。
こうした理不尽がまかり通るのは、ひとえに高齢者の政治に対する発言力が強いためである。その要因としては、一票の格差問題など様々な問題が取り沙汰されているが、最も根本的な問題は、負担を先送りされている側の発言力が乏しく、負担を先送りしている高齢者側の発言力があまりに強大なことである。
こうした現状への解決策or結論として、「ゼロ歳児選挙権」を提案したい。現状十八歳以上にのみ認められている選挙権を、ゼロ歳児以上のすべての国民に認め、かつ十八歳までは親御さんの代理投票とする案である。これにより現状の負担を先送りされている側の政治に対する発言権が大きくなり、かくして政府の意思決定はよりフェアになりうる。
また、他にも一票の格差問題や、電子投票などの問題もあるが、こうした問題も一気呵成に解決していくことによって、将来世代の意見がより反映され、多くの人々が日本の将来に希望を持てるようになり、政府の肥大化がもたらしている経済の低迷などありとあらゆる問題が解決されるだろう。
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