慶應義塾大学 経済学部 小論文 1984年 解説

慶應義塾大学 経済学部 1984年度 小論文模範解答

議論の整理……

近代の国家は、先進工業国であれ発展途上国であれ、いずれも工業化による発展を志向している。特に発展途上国では、工業化を進んだことで、十分な雇用を確保するために都心近辺に工場を構える会社が増えてきた。そうした背景もあり、人々もまた都市化された住居で生活を営むようになった。こうして医療が行き届いた環境で、人々は多くの子供を出産しはじめた。また、こうした環境では乳幼児死亡率は少なく、人口爆発に歯止めがかかる気配はない。こうした状況が長く続くと、この人口爆発は必ずや食料問題を招くだろう。

問題発見……

こうした人口爆発の問題点について考えたい。

論証……

まず、人口爆発が発展途上国においても、先進工業国においても、もたらす問題は食料問題である。
発展途上国においては、こうした都市化に伴う人口爆発は、そのまま農作物の生産地である地方における生産量の縮減を意味する。また、都市化したライフスタイルは、より多くの食物を必要とするため、ニーズは多いものの供給が少ないという事態に陥る可能性がある。
また、先進工業国の場合には、移民などのによる急激な人口の増加は、物価高と、旧植民地圏のモノカルチャー経済におけるプランテーション農業の担い手不足を意味する。かくして農作物は極端な品不足に陥るか、ひどく値上げされてしまい、こうした流れで食料問題が発生する。

解決策or結論……

こうした食料危機に向き合う方法としては、第二の「緑の革命」を起こすことにある。緑の革命とは、前近代の産業革命の際に、多くの農家で取り入れられた方法論である。たとえば農薬の指導散布などがこの成果として紹介できる。
現在、この規模のインパクトがある「緑の革命」を起こすならば、その本命たりうるのは「遺伝子組換食品」であろう。これは、人間の遺伝子操作をすることにより、稲穂に着く米粒の量を二倍にするなど、革新的な成果を挙げている方法である。

解決策or結論の吟味……

だが、こうした技術はまだ人体への影響などが十分考慮に入れられておらず、こうした食品の摂取を拒否する動きも根強くある。だが、そうした環境においても、ファミリーレストランの朝定食などでこうした食材は嬉々として利用されてきている。

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