慶應SFC 環境情報学部 2003年 小論文 解説【林塾長作成】

問1(600字)→仮説(80/200)

 

議論の整理……(5/80)資料1,2の要約

……資料1,2の要約、それぞれ書けていれば2点、どちらも書けていれば+1点、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

資料1,2においては、アメリカにおけるフリーエージェントに対して肯定的な意見と否定的な意見の双方を紹介しながら、総じてアメリカではフリーエージェントは給料所得者よりも待遇が良いということが示されている。

 

問題発見……(5/80)日本においてフリーエージェントが広まるか、広まらないか

……論点がしっかり抑えられていれば4、日本においてという但し書きがあれば1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

ここで、「日本において」フリーエージェントが広まるか、広まらないかについて考えたい。

 

論証……(60/80)日本とアメリカの人口動態の違い、海外投資の際に必要な要素の違い、海外投資の際の言語的障壁の違い

……日米の違いを言い分方式で書く形になる、日本とアメリカの比較要素をそれぞれ3つ合計6つ書けていれば各10、書けていれば各3、指摘に新規性があれば各4、指摘に緻密性があれば各3、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

まず、日米の違いについて考えると第一には人口動態が挙げられる。日本は少子高齢化の中で人口が縮小していき、結果としてフリーエージェントに代表される業務委託契約の労働者は失業に陥る可能性が高い。一方、アメリカは移民の国であり、現在に至るまで人口や一人あたりの国内総生産は伸び続けており、新たな需要を補うための雇用はフリーエージェントを含めてどんどん生み出される。

また、日米ともに貿易収支よりも投資収支が多い国であるが、こと海外投資に関して言うと、アメリカではベンチャーキャピタリストや起業家などの第三者に資金を委ねる事が多いのに対し、日本の大企業では社内の正社員に資金を委ね現地で運用することが多い。このような投資形態の違いから言っても日本では大企業の正社員であることが合理的となる。

他にも、海外投資にあたっては言語的障壁の問題がある。アメリカは英語を用いており、ビジネスの海外進出も容易いが、日本はそうではない。そのため日本のフリーエージェントの伸びしろは自然と限られてくる。このような市場のアップサイドの乏しさから言っても日本でフリーエージェントという働き方が広まる可能性は乏しいと考える。

 

結論……(5/80)広がらない

……結論がかけていれば4、日本においてという但し書きがあれば+1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

よって、私は日本においてはフリーエージェントという働き方は広がらないと考える。

 

吟味……(5/80)起業を活性化しようとする流れはあくまでもごく一部、マクロの停滞の中での成長は例外的

……書けていれば2、新規性があれば2、緻密性があれば1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

日本でも一部には起業を活性化しようとする流れがあるが、あくまでもごく一部であり、マクロの停滞の中でのフリーエージェントの成長は例外的事象だと考える。よってフリーエージェントという働き方は広がらないと考える。

 

 

資料1,2においては、アメリカにおけるフリーエージェントに対する意見を紹介しながら、総じてアメリカではフリーエージェントが広まっていることを示している。

ここで、「日本において」フリーエージェントが広まるか、広まらないかについて考えたい。

まず、日米の違いについて考えると第一には人口動態が挙げられる。日本は少子高齢化の中で人口が縮小していき、結果としてフリーエージェントに代表される業務委託契約の労働者は失業に陥る可能性が高い。一方、アメリカは移民の国であり、現在に至るまで人口や一人あたりの国内総生産は伸び続けており、新たな需要を補うための雇用はフリーエージェントを含めてどんどん生み出されると考えられる。

また、日米ともに貿易収支よりも投資収支が多い国であるが、こと海外投資に関して言うと、アメリカではベンチャーキャピタリストや起業家などの第三者に資金を委ねる事が多いのに対し、日本の大企業では社内の正社員に資金を委ね現地で運用することが多い。

他にも、海外投資にあたっては言語的障壁の問題がある。アメリカは英語を用いており、ビジネスの海外進出も容易いが、日本はそうではない。

よって、私は日本においてはフリーエージェントという働き方は広がらないと考える。

(524文字)

 

問2(800字)→論証(120/200)

 

問題発見……(10/120)日本においてフリーエージェントが広まるか、広まらないか

……論点がかけていれば8、日本においてという但し書きがあれば+1、資料3,4の統計を元に論証する趣旨が書かれていれば+1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

ここでは、資料3,4の統計から、日本においてフリーエージェントが広まるか否かについて考えたい。

 

議論の整理・論証(便宜上同一にする)……(100/120)

……資料を使って論証(5つぐらい使う)各20×5、書けていれば各10、指摘に緻密性があれば各10、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

資料3では転職者中の起業希望者、働き盛りの30代・40代の自営業者が年々減少していることが明らかになっている。またただでさえ低かった自営業者の増加率は近年減少に転じてきていることも分かる。一方資料4では、独立志向が男性では30-34歳を境に、女性では25-29歳を境に減少していることが分かる。また、特に男性ビジネスパーソンについては転職するつもりがない人が6割以上にのぼる。このような統計から、日本では少なくともある程度の社会経験を経た人材については起業したい、フリーエージェントとして働きたいと考える例が少ないと考える。

これは資料4で大卒者の中で起業を視野に入れている人が男女とも増えていることとは対照的である。大卒者がこのように考えるのは、近年の官製起業ブームなどで、商工会議所や地方自治体、政府系金融機関などを通じて起業が一つの選択肢として取り上げられていることが考えられるが、実際にある程度社会経験を経ると起業という選択肢が現実的ではなくなるのだと考えられる。事実、資料4で取り上げられている起業しない理由はいずれも資金、ノウハウなど事業をする上での経営資源の乏しさという現実に直面したがための理由である。

 

結論……(5/120)広がらない

……書けていれば3、日本においてという但し書きがあれば+1、3,4を用いた論証である旨が示せていれば+1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

よって、このような統計から日本においてはフリーエージェントという働き方は広がらないと考える。

 

吟味……(5/120)マクロの停滞の中での成長は例外的、よって統計の動きは合理的

……書けていれば2、新規性があれば2、緻密性があれば1、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

ただし、起業を考えない理由がある程度明確であるため、今後アントレプレナーシップ教育などでこうした資金・ノウハウの獲得方法を学ぶことができれば、若年者の起業意欲は高いためフリーエージェント的な働き方が広がる可能性も否定はできない。

 

 

ここでは、資料3,4の統計から、日本においてフリーエージェントが広まるか否かについて考えたい。

資料3では転職者中の起業希望者、働き盛りの30代・40代の自営業者が年々減少していることが明らかになっている。またただでさえ低かった自営業者の増加率は近年減少に転じてきていることも分かる。一方資料4では、独立志向が男性では30-34歳を境に、女性では25-29歳を境に減少していることが分かる。また、特に男性ビジネスパーソンについては転職するつもりがない人が6割以上にのぼる。このような統計から、日本では少なくともある程度の社会経験を経た人材については起業したい、フリーエージェントとして働きたいと考える例が少ないと考える。

これは資料4で大卒者の中で起業を視野に入れている人が男女とも増えていることとは対照的である。大卒者がこのように考えるのは、近年の官製起業ブームなどで、商工会議所や地方自治体、政府系金融機関などを通じて起業が一つの選択肢として取り上げられていることが考えられるが、実際にある程度社会経験を経ると起業という選択肢が現実的ではなくなるのだと考えられる。事実、資料4で取り上げられている起業しない理由はいずれも資金、ノウハウなど事業をする上での経営資源の乏しさという現実に直面したがための理由である。

よって、このような統計から日本においてはフリーエージェントという働き方は広がらないと考える。

ただし、起業を考えない理由がある程度明確であるため、今後アントレプレナーシップ教育などでこうした資金・ノウハウの獲得方法を学ぶことができれば、若年者の起業意欲は高いためフリーエージェント的な働き方が広がる可能性も否定はできない。

(703文字)

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