慶應義塾大学 法学部 小論文 2011年 解説

・ 問題文

 次の文章を読み、筆者の抵抗権についての捉え方を整理したうえで、実定法を超えた抵抗権について、具体例を交えて論じなさい。

・ 問題の解き方

 実定法を超えた抵抗権を行使した具体例を交えなければ解けない部分が難しい。政経分野の知識補充は、政経資料集などで勉強してもいいが、それが難しい場合には、受験サプリのセンター試験政経の講座を10時間ほど受けるのが最も手っ取り早い解決策or結論だろう。
 その上で、これは5STEPsで展開すべき問題である。

・ 模範解答

議論の整理……

抵抗権とは、その国の住人がその国の政府の定めた実定法に抵抗する権利のことである。なぜ国民が政府に抵抗する理由としては、政府が国民の生命・安全・財産を守ることが責務であり、そうした政府の成り立ちと現状があまりにかけ離れていた場合に、国民は抵抗権を行使できると考えたためである。
ここでの抵抗権というのは、実定法の範囲内にまとめられた抵抗権と、その範囲を超えた抵抗権がある。

問題発見……

ここでは、どのような場合に超実定法抵抗権を行使すべきかということについて述べたい。
超実定法的抵抗権が必要となる場面は、その行動が国民の生命・安全・財産を守るものであるにも関わらず、法律などの規制で政府がその役割を十分に果たせていないケースである。

論証……

たとえば、宇和島徳洲会病院の万波医師による病気腎の活用手術は大きな反響を呼んだ。これは、極めて申告な病状の患者が現状需要の2%しか実行されない健常者からの腎臓移植を諦め、加工した病気腎を移植する形のオペである。
目の前の患者様のためのこうした取り組みが一定の成功を収めたが、こうした手術は当時の日本の法律では厳しく規制されてきた。万波医師は、そういう意味では非常に大きなバッシングを受けざるを得なかった。

解決策or結論……

こうした超実定的抵抗権の是非については、最高裁判所においてその是非を判断する仕組みが必要だと私は考えている。その上で、実定法の改正にもシームレスに対応できるようにすべきだ。

解決策or結論の吟味……

こうした解決策or結論は、政府が国民の生命・安全・財産を守るために自らの無謬性を捨て去るという意味で、政府の再評価にもつながる。また、コンプライアンスが声高に叫ばれ、外国人向けのフリーWi-Fiが個人情報保護の名目の元で禁止されている今日、実定法の厳密な解釈によらない、新しい法の制定と解釈が強く望まれているる。

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