慶應義塾大学 法学部 小論文 2005年 解説

・ 問題文

〔問題〕 以下の文章を読み、共通善に関する著者の論議を踏まえ、「権力と国民」についてのあなたの考えを自由に論じなさい。

・ 問題の解き方

 5STEPsで書いていく。

・ 模範解答

議論の整理……

筆者は、「共通善」の追求に基づく政治の重要性について述べている。「共通善」とは特定の個人・団体の利益ではなく、すべての人々の利益を尊重する考え方である。だが、今日の日本は「共通善」の追求を第一とした政治を行うことができていないと筆者は主張する。

問題発見……

ここでの「善」とはなにかという定義付けを、近代の社会契約説を背景としてここでは述べていきたい。まず、国家権力にとっての「善」とは「国民の生命・安全・財産を守ること」に尽きる。この大義名分こそが、暴力装置としての国家を正当化しうる。
つまり、共通善に基づく政治とは、何人たりとも等しく生命・安全・財産を国家権力によって保護されることを意味する。こうした政治が果たして実現されているかについて、ここでは考えていきたい。

論証……

まず、誰かの生命・安全・財産を国家権力によって保護されていない状態とはどのような状態であるかを考えたい。
代表的な事例を述べるならば、北朝鮮による拉致事件は、誰かの生命・安全・財産を国家権力によって保護されていない一例といえよう。
なぜ日本の国家権力がこうした悲劇を許したかについて考えると、現在の社民党や朝鮮総連に代表される諸組織に対する取り締まりを十分に強化しなかったためである。
こうした組織に対する取り締まりが不十分であったために、北朝鮮本国の意向を受けた工作活動が極めて容易に行われ、結果として日本国民の生命・安全・財産が保護されない形となった。

解決策or結論……

当然のことながら、自由主義社会において、ありとあらゆる思想・結社の自由は当然に保証されるべきである。だが、その例外として、国民公共の福祉を害する限りはこの限りではない。たとえば、アメリカや韓国においても、共産党あるいはそれに類する団体のその結成を著しく制限されており、実質的にはそうした組織が機能しないような工作機関を持っている。
にもかかわらず、日本ではこうした組織が大手を振って跋扈しており、主に公立学校や法曹界などに根深い影を落としている。
 こうした団体に対し、早急に破防法を適用し、こうした公立学校教員や弁護士を全員免職にすることにより始めて、日本における国民の生命・安全・財産を守ることが可能になり、共通善に基づく政治が可能になる。

解決策or結論の吟味……

また、一部の保守政治家の、こうした革新団体との妥協・癒着と、それにより指摘利益の追求も当然のことながら厳しく弾劾されるべきであろう。

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