慶應義塾大学 文学部 小論文 2001年 解説

・ 問題文

(設問1)
テクスト1とテクスト2を踏まえ、一九五○年代から一九七○年代の日本における西洋音楽への対応について略述しなさい(三○○字以内)。
(設問2)
 一九八o年代から新世紀にかけての日本における欧米文化への対応とはどのようなものか。対象を必ずしも音楽に限定せず、あなたにとってもっとも関心の深い文化の領域を一つ選び、あなた自身および社会全体の問題として論じなさい(四○○字以内)。

・ 問題の解き方

 設問一については、議論の整理をした上で、問題を提起し、その原因を分析する形で略述をしている。結論・根拠・具体例とは異なり、どちらかというと5STEPsの中で必要な要素を抜き出した形といえる。
 設問二については、結論を書き、その根拠として議論の整理の論点整理にあるような対比を行い、具体例を紹介する形の構成である。

・ 模範解答

=設問1=

テクスト1・テクスト2ともに、一九五〇年代からすくなくとも六十年代までは、日本人の西洋音楽に対する対応は、ただただ感嘆し、模倣するばかりであったと述べている。一方、七十年代からはテクスト2にあるように、自民族独自の音楽を追求しようという動きも活発になりはじめている。
こうした流れは、各民族のナショナリズムを追求する動きからスタートした。たとえば、黒人であれば黒人の音楽、インド人であればインドの音楽といった形での追求がなされ、またそれらは渾然一体となり新しい音楽を生み出していった。(243文字)

=設問2=

八十年代から新世紀にかけての、コンピューター・グラフィックスに対する日本社会の対応は、極めて稚拙なものであった。幅広い市場に訴求できることから大量の資金を投下してコンテンツを作りこむ欧米陣に対し、精神論で良いコンテンツを作ろうとする日本企業の姿勢は解せない部分が多い。
その代表的な事例が、アニメコンテンツの製作に対する姿勢である。多くの日本のアニメが平面的であるのに対し、アメリカのアニメはほとんどが立体的である。こうした違いは、アメリカにおけるコンピュータ・サイエンス関連の人材層の厚さから来るものである。日本でも情報技術関連の教育を受けた人材を今まで以上に増やすことが重要になりつつある。こうした施策を素早く取らなければ、従来は比較的有利だとされてきたアニメーションの分野でも、日本は先進諸国に大きな遅れを取らざるをえないだろう。(369文字)

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