小論文第二段階 「一段落の書き方(結論・根拠・具体例)」

■ 小論文 第二段階 「一段落の書き方(結論・根拠・具体例)」(2日目・1日2時間)

これを習得するためには小論文の基本的な文法ドリルが独自教材であるので、そちらのドリルを演習していただく形になる。

0. 段落内部の書き方

一つの段落を読みやすくする際には、結論・根拠・具体例の順番で書いた方が良い。まず、冒頭に結論を書き、「なぜなら」という接続詞で根拠へと繋ぎ、「たとえば」という接続詞で具体例につなぐ。これが最も読みやすい段落内部の構成である。

1. 読み手の関心をそそる結論・根拠・具体例

なぜ、結論・根拠・具体例の構成で書かれた段落が読みやすいのかというと、まず第一にはそれが読み手の興味・関心をそそる書き方だからである。

まず、結論があることにより、なぜその結論が出たかという疑問が残る。そのすぐ後に根拠があることにより、なるほど、と納得して読むことができる。根拠と具体例の関係もこれを踏襲しており、なぜその根拠が出たのか? その根拠は具体的にどういう形で表現されているのか?という疑問に対し、すぐに具体例が提示されているため、なるほど、と納得して読むことができる。

このように、「どうして?」「なるほど!」という思考プロセスをたくさん踏んでもらうことかできるため、読み手が読んでいて快い文章を作ることが可能になる。

2. 多くの人々の共感を得る結論・根拠・具体例

多くの場合、人は総論賛成・各論反対で議論を進める傾向がある。

たとえば、医療従事者であれば、日本は歳入に対して歳出が多すぎること、そのため財政再建が必要なことは認めるだろう。だが、その手段として医療費削減が求められれば強硬に反対することは間違いない。このように、歳出過多や財政再建などの総論には賛成でも、医療費削減のような各論には強硬な反対論が出るのが人情というものだ。

よって、議論を進める際には、まず総論≒抽象的な結論を述べ、次にその根拠を述べ、最後に具体的な議論≒具体例に言及すべきである。こうすることにより、利害関係者の反発を最大限抑制することが可能なためだ。

3. 例外を議論から排除する結論・根拠・具体例

また、結論・根拠・具体例で書くことは例外を議論から排除する場合には極めて有効である。

もちろん、小論文を執筆する際においては、小異を捨てて大同についてはいけない場面もある。たとえば、マイノリティーの利害関係者に配慮する場合には、例外を議論から排除してはならないだろう。だが、一方で恣意的に議論の結論を歪めようとする例も多々ある。

そうした際に、大枠の抽象論から入ることによって、議論を恣意的に歪めることが難しくなる。たとえば、生活保護制度について論じる際に、そもそもの問題として無年金高齢者の増加があることが分かれば、生活保護費の増加の主要因が若者の無気力ではないことがわかる。

このように為にする議論を排除するためにも、結論・根拠・具体例の順番で議論を進めることは大切である。

4. まとめ

ここまで見てわかるように、
・ 読み手の興味を喚起するため
・ 多くの人々の共感を得るため
・ 議論の恣意的に歪めないため

結論・根拠・具体例で小論文を書くべきである。

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