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北九州市立大学 法学部 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(過疎地域と行政サービス)

北九州市立大学 法学部 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(過疎地域と行政サービス)

問題1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字以内
  • 意見論述の要求: なし
  • 選択テンプレート: 自由形式
  • 判定根拠: 過疎地域における行政サービス維持について、筆者の主張を要約する問題であるため。

設問文

過疎地域における行政サービスの維持に関する筆者の主張を要約しなさい(400字以内)。

解答プロセス

課題文は、人口や戸数が少ない地域ではインフラ維持が非効率だから撤退すべきだという論理を批判している。筆者は、行政サービスは集落が担ってきたものではなく自治体が生活基盤として保障してきたものであり、採算性だけで判断してはならないと述べる。答案では、生存権、生活基盤、地域差の是正、インフラ撤退の危険を中心にまとめる。

問題1【解答】

筆者は、過疎地域の人口や戸数が減ったことを理由に行政サービスを撤退させる発想を批判している。道路、除雪、上下水道、公共交通などは、集落が採算に基づいて担ってきたものではなく、自治体が生活基盤として全国どこでも一定水準で保障してきたものである。したがって、利用者が少ないから非効率だとして切り捨てれば、生存権に関わる暮らしの条件を奪うことになる。また、大都市のインフラも多額の投資や他地域の犠牲に支えられており、小規模地域だけを非合理と見るのは一面的である。行政サービス撤退の噂だけでも住民の流出を招き、地域の存続を困難にする。だから筆者は、効率性や採算性だけでなく、生活保障と国土の均衡を重視して行政サービスを維持すべきだと主張している。

字数カウント: 319字

問題2【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 筆者の主張をふまえ、過疎地域の行政サービスを継続すべきか否かについて立場を明らかにし、効率性・採算性も含めて論じる意見論述問題であるため。

設問文

課題文における筆者の主張をふまえて、過疎地域における行政サービスを継続すべきか否かについてあなたの立場を明らかにした上で、行政サービスの効率性・採算性の問題を含め、その行政サービスをどうすべきかについて、あなたの意見を述べなさい(400字以内)。

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

筆者は、過疎地域の行政サービスを効率性や採算性だけで撤退させる論理を批判し、行政サービスは生活基盤として保障されるべきだと述べる。

設問要件対応: 「課題文における筆者の主張をふまえて」に対応する。

STEP2 問題発見

問題は、人口が少ない地域ほど行政サービスが非効率に見える一方、撤退すれば住民が暮らせなくなることである。

設問要件対応: 「効率性・採算性の問題」を明確にする。

STEP3 論証

言い分方式を用いる。行政には財政を守る責任がある。しかし住民には生活基盤を保障される必要がある。両者を両立させるには、撤退ではなく提供方法の再設計が必要である。

設問要件対応: 継続すべき理由と費用面を結びつける。

STEP4 結論

過疎地域の行政サービスは継続すべきだが、予約制交通、広域連携、ICT利用などで形を変えるべきである。

設問要件対応: 自分の立場と「どうすべきか」を示す。

STEP5 吟味

ただし、すべてを従来通り維持するのではなく、住民との合意形成を通じて最低限必要な水準を決める必要がある。

設問要件対応: 現実的な運用条件を示す。

問題2【解答】

私は、過疎地域の行政サービスは継続すべきだと考える。なぜなら、道路、除雪、上下水道、公共交通、医療や買い物への移動は、単なる便利さではなく、そこに住む人の生活と尊厳を支える条件だからである。利用者が少ないという理由だけで撤退すれば、高齢者や車を持たない人は暮らせなくなり、地域の消滅を行政が早めることになる。

もっとも、効率性や採算性を無視してよいわけではない。従来と同じ形で全てを維持するのではなく、生活に不可欠な水準を明確にし、方法を組み替えるべきである。例えば、定時定路線のバスを予約制乗合交通に変える、複数自治体で除雪や施設管理を共同化する、診療や行政手続にオンラインを併用するなどである。

重要なのは、撤退を前提にするのではなく、住民が暮らし続けられる最低条件を公共の責任として守ることである。そのうえで費用を抑える工夫を住民と行政が話し合い、地域に合う形へ再設計すべきである。

字数カウント: 392字

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