茨城大学 教育学部学校教育教員養成課程 前期日程 2020年度 小論文過去問解説(匿名とコミュニケーション)
問1【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 100字以内
- 意見論述の要求: なし
- 選択テンプレート: 自由形式
- 判定根拠: 本文中の語句の意味を、文脈に即して短く説明する問題であるため。
設問文
本文で述べられている「社会的なアイデンティティ」とはどういうことか、100字以内で説明しなさい。
解答プロセス
本文では、従来の匿名投書でも編集者は本人と連絡し、確認をしたうえで掲載していたと述べられている。したがって「社会的なアイデンティティ」とは、氏名そのものだけでなく、発信者が社会の中で特定され、責任を問われうる関係性を指す。
問1【解答】
氏名を公表しない場合でも、発信者がどこの誰で、どのような立場や関係の中にいるかが確認され、発言に責任を負いうる状態のこと。
字数カウント: 61字
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問2【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 100字以内
- 意見論述の要求: なし
- 選択テンプレート: 自由形式
- 判定根拠: 指示語が指す内容を、直前までの本文の流れに即して説明する問題であるため。
設問文
下線部の「そういうメディアの状況」とはどのような状況か、100字以内で説明しなさい。
解答プロセス
下線部直前では、ワイドショーや雑誌が私人のプライバシーを暴くことを売り物にし、被害者や家族の私生活まで追う状況が批判されている。したがって、金銭や視聴率のために人間の品位を損なう報道状況をまとめる。
問2【解答】
一部のマスコミが視聴率や販売部数を得るため、私人や被害者の私生活に踏み込み、人格を傷つけるような情報暴露を競う状況。
字数カウント: 58字
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問3【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 600字以内
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: 著者の考えを踏まえ、良好なコミュニケーションに必要なことと学校教育のあり方を論じる設問であり、500字以上の意見論述型であるため。
設問文
著者の考えを踏まえて、現代の高度情報化社会において良好なコミュニケーションを築くために必要なことは何か。そのために学校ではどのような教育が求められるか。あなたの考えを600字以内で述べなさい。
解答プロセス
5STEPに当てはめた書き方
STEP1 議論の整理
課題文は、ネット上では社会的なアイデンティティが消え、発信者が責任を負わずに他者を攻撃できる危険を指摘している。
設問要件対応: 「著者の考えを踏まえて」に対応する。
STEP2 問題発見
問題は、匿名性そのものではなく、相手の表情や立場を想像せず、発信の影響に責任を持たないことである。
設問要件対応: 「良好なコミュニケーションを築くために必要なこと」を明確にする。
STEP3 論証
なぜなぜ分析を用いる。攻撃的発信が起きるのは、相手を画面上の情報としてしか見ないからであり、その背景には、発信前に立ち止まって確認する訓練の不足がある。
設問要件対応: 必要な教育内容の根拠を示す。
STEP4 結論
学校では、情報モラルを禁止事項として教えるだけでなく、相手理解、根拠確認、責任ある発信を実践的に学ばせるべきである。
設問要件対応: 「学校ではどのような教育が求められるか」に答える。
STEP5 吟味
匿名の利点もあるため、匿名を全面否定せず、弱者が声を上げられる自由と他者を傷つけない責任を両立させる。
設問要件対応: 高度情報化社会に合った現実的な解決策にする。
問3【解答】
高度情報化社会で良好なコミュニケーションを築くには、発信者が自分の言葉の影響に責任を持ち、画面の向こうにいる相手を一人の人間として想像する力が必要である。課題文は、ネット上の匿名性によって社会的なアイデンティティが消え、発信者が傷を負わずに他者へ暴力的に振る舞える危険を指摘している。
しかし、匿名性をなくせばよいという単純な話ではない。匿名だからこそ、弱い立場の人が相談したり、権力への批判を述べたりできる場合もある。問題は、匿名の自由が、根拠のない中傷やプライバシー侵害を正当化するものと誤解される点にある。したがって必要なのは、発信前に事実か、相手を不当に傷つけないか、自分が同じことを面前で言えるかを確認する習慣である。
学校では、情報モラルを「してはいけないこと」の暗記にとどめず、実際の投稿例を用いて、誰がどのように傷つくか、どの表現なら意見として成立するかを考えさせる教育が求められる。また、討論や作文を通じて、異なる意見を根拠に基づいて述べ、相手の人格を否定せずに反論する練習を重ねるべきである。
さらに、発信者情報や著作権、個人情報保護の知識だけでなく、困ったときに相談し、被害を記録し、周囲が傍観者にならない態度も学ぶ必要がある。自由な表現と他者への責任を結びつけて教えることが、良好なコミュニケーションの基礎になる。
字数カウント: 566字



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