佐賀大学 医学部看護学科 前期日程 2023年度 小論文過去問解説(若者のコミュニケーション能力)
問題【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 700字以上800字以内
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: 若者のコミュニケーション能力低下が指摘される理由と、看護職を目指す自分自身の能力の振り返りを含めて論じる問題であるため。
設問文
現代社会では、情報ツールの多様化および情報化の急速な進展により、多くの若者がインターネットやスマートフォン・携帯電話などの通信手段を用いたコミュニケーションを主流としています。そのような状況のなか、若者のコミュニケーション能力の低下が指摘されています。
コミュニケーション能力の低下が指摘されている理由と、看護職を目指している自分自身のコミュニケーション能力をどのように捉えているのかを振り返り、あなたの考えを700字以上800字以内で述べて下さい。
解答プロセス
5STEPに当てはめた書き方
STEP1 議論の整理
設問は、情報ツールの多様化により、若者の主な交流がインターネットやスマートフォンを介したものになっていると述べる。
設問要件対応: 若者のコミュニケーション能力低下が指摘される社会的背景を整理する。
STEP2 問題発見
問題は、伝達量が増えた一方で、相手の表情、沈黙、声の調子を読み取りながら関係を調整する経験が不足しやすいことである。
設問要件対応: 「低下が指摘されている理由」を明確にする。
STEP3 論証
演繹法を用いる。看護のコミュニケーションは、情報交換だけでなく、患者の不安や痛みを受け止める援助である。したがって対面での観察、傾聴、確認が必要になる。
設問要件対応: 看護職を目指す立場に結びつける。
STEP4 結論
自分の強みは相手の話を最後まで聞く姿勢であり、課題は相手に合わせて分かりやすく確認し、非言語情報を読む力であると述べる。
設問要件対応: 自分自身の能力を振り返る。
STEP5 吟味
情報ツール自体を否定せず、対面とオンラインの両方で相手を尊重する力を伸ばす必要がある。
設問要件対応: 一面的な批判にしない。
問題【解答】
若者のコミュニケーション能力の低下が指摘される理由は、情報ツールの発達によって、相手と直接向き合わずにやり取りを完結できる場面が増えたからである。インターネットやスマートフォンは、離れた相手とすぐ連絡でき、短い言葉や画像で気持ちを伝えられる便利な手段である。しかしその便利さの一方で、表情、視線、声の調子、沈黙、相手の迷いを読み取りながら言葉を選ぶ経験は不足しやすい。
コミュニケーション能力とは、単に自分の考えを話す力ではない。相手が何を言いたいのかを聞き取り、言葉にならない不安を感じ取り、必要に応じて確認する力である。特に看護では、患者が痛みや不安を十分に説明できない場合がある。高齢者、子ども、病状で混乱している人、遠慮して本音を言えない人に対しては、看護職が相手の様子を観察し、安心して話せる関係を作る必要がある。
私は、自分のコミュニケーション能力について、相手の話を途中で遮らずに聞こうとする姿勢は強みだと考えている。友人から相談を受けたときも、すぐ助言するより、まず相手が何に困っているのかを聞くようにしている。一方で、自分の考えを簡潔に伝えたり、相手が本当に理解したか確認したりする点には課題がある。自分では丁寧に説明したつもりでも、相手にとって分かりにくいことがあるからだ。
看護職を目指す者として、今後は対面での会話を大切にし、相手の反応を見ながら言葉を選ぶ力を伸ばしたい。また、スマートフォンなどの情報ツールも、患者や家族への説明、連絡、情報共有に役立つ。実習や日常生活でも、分からないことをそのままにせず、復唱や質問で確認する習慣を身につけたい。大切なのは道具を否定することではなく、どの方法でも相手を一人の人として尊重し、不安を軽くできるように関わることである。
字数カウント: 742字



コメントを残す