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佐賀大学 医学部看護学科 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(高齢者の交通事故)

佐賀大学 医学部看護学科 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(高齢者の交通事故)

問題【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 800字以上1000字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 高齢者の交通事故が多発する背景と対策について、自分の考えを論じる問題であるため。

設問文

近年、高齢者の交通事故が多発しています。その背景と対策に対するあなたの考えを800字以上1000字以内で述べなさい。解答は解答用紙に横書きで書くこと。

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

高齢者の交通事故は、運転者側の加齢変化だけでなく、地方で車が生活手段になっている社会環境とも関係する。

設問要件対応: 「背景」を複数の側面から整理する。

STEP2 問題発見

問題は、事故防止だけを優先して免許返納を迫ると、高齢者の生活、通院、買い物、社会参加が失われることである。

設問要件対応: 対策を考える際の論点を明確にする。

STEP3 論証

言い分方式を用いる。家族や社会は安全を重視する。一方、高齢者本人には移動の自由と自立した生活が必要である。両者を両立させる対策が必要となる。

設問要件対応: 背景から対策へ論理的につなげる。

STEP4 結論

運転能力の確認、免許返納後の交通支援、安全技術の活用、家族と地域の相談体制を組み合わせるべきである。

設問要件対応: 具体的な対策を提示する。

STEP5 吟味

高齢者を一律に危険視せず、個人差と地域差に応じた支援が必要である。

設問要件対応: 対策の公平性と実効性を検討する。

問題【解答】

高齢者の交通事故が多発する背景には、まず加齢による身体機能や認知機能の変化がある。視野が狭くなる、反応が遅れる、複数の情報を同時に判断しにくくなるといった変化は、交差点での右左折、駐車場での操作、歩行者の発見の遅れにつながる。本人は長年運転してきた経験から「まだ大丈夫」と感じていても、実際には危険への対応力が低下していることがある。

しかし、高齢者の事故を本人の注意不足だけで説明してはならない。地方では車が通院、買い物、仕事、家族の世話、地域活動に欠かせない地域が多い。公共交通が少ない場所で免許返納だけを求めれば、事故は減っても、高齢者は外出の機会を失い、孤立や健康悪化を招く。したがって対策は、安全確保と生活支援を同時に考える必要がある。

第一に、運転能力を定期的に確認する仕組みを充実させるべきである。認知機能検査だけでなく、実車講習やドライブレコーダーの記録を用いて、危険な癖を本人と家族が具体的に把握できるようにする。単に合格、不合格を決めるのではなく、夜間運転を避ける、遠距離を控える、慣れた道に限定するなど、段階的な助言を行うことが必要である。

第二に、免許を返納しても生活できる交通手段を整えるべきである。予約制乗合タクシー、病院や商店への巡回バス、地域ボランティアによる送迎、買い物代行を組み合わせれば、返納への不安は小さくなる。看護の視点からも、通院や服薬、食生活が途切れない移動支援は健康を守る対策である。

第三に、自動ブレーキや踏み間違い防止装置などの安全技術を活用することも重要である。ただし技術に頼りきるのではなく、家族、医療者、行政、警察が相談できる場を作り、本人の尊厳を保ちながら話し合う必要がある。事故を起こす前から、かかりつけ医や地域包括支援センターが移動手段の相談に関われれば、本人も家族も冷静に判断しやすい。高齢者を一律に危険な存在と決めつけるのではなく、個人差と地域差に応じて、運転継続、制限、返納後支援を選べる社会を作ることが、事故防止と自立支援の両立につながる。

字数カウント: 852字

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