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佐賀大学 医学部看護学科 前期日程 2016年度 小論文過去問解説(健康な生活)

佐賀大学 医学部看護学科 前期日程 2016年度 小論文過去問解説(健康な生活)

問【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 800字以上1000字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 「健康な生活」を理解していても実現できない背景要因を複数挙げ、自分の考えを論じる800字以上の小論文であるため。

設問文

一般に人々は「健康な生活」について理解はしていると思われますが、実際は必ずしも実現していないようです。この背景にはどのような要因があると思いますか。いくつかの要因を挙げ、あなたの考えを800字以上1000字以内で述べなさい。

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

健康な生活には、栄養、運動、睡眠、禁煙、節酒、ストレス管理、受診などが含まれる。多くの人は知識としては理解しているが、行動として継続できていない。

設問要件対応: 「理解はしているが実現していない」という前提を整理する。

STEP2 問題発見

問題は、健康行動を本人の意思だけに任せると、生活環境、仕事、経済状況、心理状態に左右されてしまう点である。

設問要件対応: 背景要因を単なる怠慢にせず、複数の観点から立てる。

STEP3 論証

なぜなぜ分析を用いる。健康行動が続かないのは時間や余裕がないからであり、その背景には長時間労働、低所得、家族役割、情報過多、ストレス、地域環境がある。

設問要件対応: 「いくつかの要因を挙げ」に対応する。

STEP4 結論

健康な生活を実現するには、個人への教育だけでなく、職場、学校、地域、医療が行動しやすい環境を整える必要がある。

設問要件対応: 「あなたの考え」を示す。

STEP5 吟味

ただし支援が押しつけになると反発を生むため、本人の価値観や生活事情を尊重し、小さく続けられる選択肢を用意する。

設問要件対応: 現実的で看護学科にふさわしい支援の方向を確認する。

問【解答】

健康な生活を理解していても実現できない背景には、知識と行動の間に大きな隔たりがあることが挙げられる。多くの人は、栄養の偏りを避けること、適度に運動すること、十分な睡眠をとること、喫煙や過度の飲酒を控えることが大切だと知っている。しかし、知っているだけで生活習慣が変わるわけではない。

第一の要因は、時間的・身体的余裕の不足である。長時間労働や通学、家事、育児、介護に追われる人は、食事を簡単に済ませ、運動や睡眠を後回しにしやすい。疲れていると、健康によい選択よりも、すぐ楽になれる選択をしてしまう。第二に、経済的要因がある。新鮮な食品を選ぶ、運動施設を利用する、早めに受診するには費用がかかる場合がある。低所得や不安定な雇用の中では、将来の健康より今日の生活費が優先される。

第三に、心理的要因がある。ストレス、不安、孤独が強いと、過食、飲酒、喫煙、夜更かしなどで一時的に気分を紛らわせることがある。また、健康情報が多すぎるため、何を信じればよいか分からず、極端な方法に流されたり、逆に何もしなくなったりすることもある。第四に、生活環境の問題がある。近くに歩ける場所や安全な公園がない、公共交通が少なく車に頼る、職場に休憩を取りにくい雰囲気があるなど、本人の努力だけでは変えにくい条件が健康行動を妨げる。

したがって、健康な生活を実現するには、個人の意識改革だけでなく、行動しやすい環境づくりが必要である。学校や職場では、休養、食事、運動を軽視しない仕組みを作るべきである。地域では、歩きやすい道、気軽に参加できる運動教室、孤立を防ぐ交流の場を整えることが重要である。医療者は、正しい知識を一方的に教えるだけでなく、その人の生活背景を聞き取り、できる範囲で続けられる目標を一緒に考える必要がある。

健康は自己責任だけで守れるものではない。本人の努力を支える社会的条件があって初めて、知識は生活習慣に変わる。看護を学ぶ者として、私は患者や地域住民を責めるのではなく、その人が健康な選択をしにくくしている要因を見つけ、継続可能な支援につなげる姿勢を大切にしたい。

字数カウント: 875字

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