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東京海洋大学 海洋生命科学部海洋政策文化学科 前期日程 2025年度 小論文過去問解説(食の意義)

東京海洋大学 海洋生命科学部海洋政策文化学科 前期日程 2025年度 小論文過去問解説(食の意義)

問1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字以上600字以内
  • 意見論述の要求: なし
  • 選択テンプレート: 自由形式
  • 判定根拠: 文章Aから文章Cにおいて重視されている「食」の意義を、それぞれ説明する要約・説明型の問題であるため。

設問文

問 1 文章 Aから文章 Cのそれぞれの文章において重視されている「食」の意義について,400字以上600字以内で説明しなさい。

課題文・資料の整理

文章Aは、都市生活の効率化や個食・孤食の広がりによって、食が単なる空腹充足へ縮小している状況を述べる。そのうえで、魚食普及活動の本質を、食べる喜び、作る喜び、知る喜び、分かち合いの喜びの再発見に置いている。

文章Bは、小浜市の「食のまちづくり」と食育を扱う。食を、産業、観光、環境、安全、健康、福祉、教育に関わる広い営みとして捉え、キッズ・キッチンなどを通じて、命をいただく感覚、丁寧な所作、協調性、地域食材への理解を育てる。

文章Cは、学校給食を「生きた教材」として扱う。給食は栄養やマナーだけでなく、教科の学習、生命への理解、地域文化、生産者とのつながりを学ぶ教材になると示している。

解答プロセス

設問は「文章Aから文章Cのそれぞれ」と指定しているため、答案では三つの文章を混同せず、A、B、Cの順に意義を整理する。

文章Aについては、魚食を例に、食が効率や栄養だけでなく、作る、知る、覚える、分かち合うという喜びを伴う営みである点を押さえる。

文章Bについては、地域の食文化と食育を中心に、食が人間形成と地域社会を支える総合的な営みである点を述べる。

文章Cについては、学校給食が教科横断的な学びや生産者との交流を生む「生きた教材」である点を説明する。

問1【解答】

文章Aで重視される食の意義は、空腹を満たすだけでなく、人と人、人と自然を結び、食べる喜びを支える点にある。都市生活では効率が優先され、個食や孤食が広がり、食は機械的な行為になりやすい。しかし魚を見て、調理し、味わう過程には、作る喜び、知る喜び、分かち合う喜びが含まれる。食は生活文化と共感を回復する営みなのである。

文章Bで重視されるのは、食が地域づくりと人間形成の核になるという意義である。小浜市の食育では、食を栄養だけでなく、産業、環境、健康、歴史、伝統と結びつけて捉える。子どもが包丁を使い、魚を捌き、旬の食材を扱う体験は、命をいただく感覚、丁寧な所作、他者への気遣いを育てる。

文章Cで重視される食の意義は、学校給食が「生きた教材」となる点である。給食は栄養指導にとどまらず、国語、社会、理科、家庭科などの学習と結びつき、食材の産地や生産者、地域文化を学ぶ入口になる。つまり食は、身体を支えるだけでなく、地域社会や生命への理解を深める教育的な営みである。

字数カウント: 429字

問2【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字以上600字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 「あなたが重要であると考える点」を、文章Aの魚食普及活動と文章AからCの「食」の意義を踏まえて説明する問題であるため。

設問文

問 2 「食」の意義の視点から,文章 Aの下線部「魚食普及活動」に取り組むにあたり、あなたが重要であると考える点について400字以上600字以内で説明しなさい。

課題文・資料の整理

文章Aは、魚食普及活動の本質を、参加者に「食べる喜び」とそれに伴う喜びを再発見してもらうことだと述べる。文章Bは、魚を捌く体験が命をいただく感覚を伝えるとし、文章Cは、食材や生産者との関わりが学習を深めるとする。

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

設問は、魚食普及活動について、「食」の意義の視点から重要点を述べるよう求めている。ここでは文章Aの魚食離れと、文章AからCに共通する食の社会的・教育的意義を整理する。

設問要件対応: 「食」の意義を踏まえる。

STEP2 問題発見

魚食普及を、単に魚の消費量を増やす宣伝として行うと、手間や価格の問題を越えにくい。魚を食べる理由そのものを体験として伝える必要がある。

設問要件対応: 「魚食普及活動」に取り組む際の課題を明確にする。

STEP3 論証

文章Aの「鮮魚の壁」、文章Bの魚を捌く体験、文章Cの「生きた教材」を根拠に、調理・生産・地域・命の理解を結びつける。

設問要件対応: 文章AからCの内容を使って重要点を説明する。

STEP4 結論

魚食普及では、食べやすさの改善と、魚を通じて海・地域・生命を学ぶ体験を組み合わせるべきだと述べる。

設問要件対応: 自分が重要と考える点を明示する。

STEP5 吟味

伝統の押しつけや高価な魚食の推奨だけでは広がらないため、生活条件に配慮する。

設問要件対応: 実現可能性と限界を確認する。

問2【解答】

魚食普及活動で重視すべきなのは、魚を食べることを健康によい行為として勧めるだけでなく、食が人と海、地域、文化をつなぐ営みであると伝えることである。食の意義は、栄養摂取にとどまらない。

問題は、若い世代に魚食を広めようとするとき、調理が面倒、骨が苦手、価格が高いという実用上の壁だけを見てしまいやすい点である。それだけでは、魚を食べる理由が弱く、活動は一時的な宣伝で終わる。

文章にあるように、食材に触れたり、生産の場を知ったりする体験は、食への理解を深める。魚についても、漁業者の仕事、資源管理、地域の料理、季節性を学ぶことで、食卓の魚が社会や自然と結びついていることを実感できる。

私は、魚食普及では、調理しやすい方法の紹介と、海の環境や地域文化を学ぶ体験を組み合わせるべきだと考える。学校や地域で、簡単な魚料理、未利用魚の活用、漁港見学を行えば、魚を食べる意味が具体的になる。

ただし、魚食を伝統だから守れと押しつけるだけでは広がらない。食の選択は生活条件に左右される。価格、手間、嗜好に配慮しながら、魚を選びたくなる経験を作ることが重要である。

字数カウント: 471字

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