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信州大学 理学部 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(生態系のレジームシフト)

信州大学 理学部 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(生態系のレジームシフト)

問題【解説】

設問文

問1 次の文章と図に基づき、以下の問いについて解答欄に答えなさい。①「レジームシフト」という用語の意味を簡潔に述べなさい。②「生態系のレジームシフト」は文章中で何と表現されているか、文章中から4字で抜き出しなさい。③図1の(a)〜(g)には、それぞれ「増加」または「減少」が入る。図1を読み取り、適切な単語を答えなさい。④近年、地球上では様々な生態系のレジームシフトが生じている。生態系のレジームシフトの具体例を一つ挙げ、その概要とレジームシフトが生じた要因を説明しなさい。ただし、魚介類以外を題材とすること。

設問条件の判定

  • 制限字数: 小問ごとの指定に従う
  • 意見論述の要求: 一部あり
  • 選択テンプレート: 説明型
  • 判定根拠: 用語説明、本文中表現の抜き出し、具体例と要因説明を求める理学部前期日程の小論文問題である。

解答プロセス

  • STEP1 議論の整理: レジームシフトは、環境条件の変化によって生態系の状態が別の安定状態へ移ることを指す。
  • STEP2 問題発見: 「生態系のレジームシフト」は、文章中では生態系の構造や機能が大きく変わる現象として扱われている。
  • STEP3 論証: 湖沼の富栄養化、サンゴ礁から藻場への変化、森林から草地への変化などを具体例として選べる。
  • STEP4 結論・解決策: 具体例では、外力、閾値、戻りにくさを含めて説明する。
  • STEP5 吟味: 変化後の対策だけでなく、閾値を超える前の予防的管理の重要性まで示す。

問題【解答】

レジームシフトとは、ある環境や生態系が、それまで保っていた状態から、別の性質をもつ状態へ急激または不可逆的に移行することである。単なる一時的な変動ではなく、外からの圧力が一定の閾値を超えることで、生物の構成、物質循環、食物網、環境条件の関係が組み替わり、元に戻りにくくなる点が重要である。

生態系のレジームシフトは、文章中では、生態系がそれまでとは異なる安定状態へ移ることとして説明できる。たとえば、透明で水草が多い湖が、栄養塩の流入によって植物プランクトンの多い濁った湖に変わる場合、見た目の変化だけでなく、光環境、魚類、底生生物、水質浄化機能まで変化する。したがって、単一の生物種の増減ではなく、生態系全体の状態変化として理解する必要がある。

具体例として、湖沼の富栄養化が挙げられる。流域から窒素やリンが大量に流入すると、植物プランクトンが増え、水中の透明度が下がる。すると水草に光が届かなくなり、水草が減少する。水草が減ると、底泥の巻き上げや栄養塩の再溶出が進み、さらに水が濁る。この循環によって、湖は透明な状態から濁った状態へ移り、栄養塩の流入を少し減らしただけでは元に戻りにくくなる。

この例から分かるように、レジームシフトを防ぐには、変化が起こってから対処するのでは遅い場合がある。環境負荷が閾値を超える前に、流域管理、排水処理、農地からの栄養塩流出の抑制を行う必要がある。生態系は徐々に変わっているように見えても、ある時点で急に別の状態に移ることがあるため、早期の観測と予防的管理が重要である。

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