議論の整理
川口茂雄教授は、解釈学、現象学、歴史哲学、メディア哲学、デリダ、リクールを専門としている。現代フランス・ドイツ哲学、とくに認識論、現象学、歴史哲学を研究しており、紙から液晶へというメディア環境の変化と言語、思考の速度の関係にも関心が示されている。
共通の前提は、人間の思考は純粋に頭の中だけで成立するのではなく、文字、紙、画面、記録技術、読む速度といった媒介に支えられているという点である。論点は、デジタルメディアを単なる道具と見るのか、それとも理解や記憶の仕方を変える環境と見るのかにある。私は、スマートフォンで読む文章と紙の本で読む文章では、考えの深まり方が違うと感じたことからこの問題に関心を持った。
問題発見
私が研究したい問題は、デジタルメディアが読解、記憶、自己理解にどのような変化をもたらすかである。情報量が増え、検索や共有は容易になったが、長い文章を読み、解釈を積み重ねる経験は弱まっている可能性がある。
これは単に読書習慣の問題ではない。人が世界をどう理解し、過去をどう記憶し、他者の言葉をどう受け取るかに関わる哲学的問題である。
論証
現象学は、ものが意識にどのように現れるかを問う。画面上の文章は、スクロール、通知、リンク、検索機能とともに現れるため、紙の本とは異なる注意の配分を生む。解釈学は、テクスト理解が読者の前理解や歴史性に左右されることを明らかにする。
さらに、メディア哲学は、技術が思考の形式を変えることを考える。デジタル環境では、読むことが断片化し、記憶が外部化される一方、多様な資料を結びつける新しい解釈の可能性も生まれる。
解決策or結論or結果
私は上智大学文学部哲学科で、川口教授の現象学、解釈学、メディア哲学に学び、デジタル時代の読解経験を研究したい。具体的には、紙の本、電子書籍、SNS投稿、検索結果を比較し、読者の注意、記憶、解釈の仕方がどのように変わるかを考察したい。
将来は、教育や出版、メディア設計の分野で、情報を速く処理するだけでなく深く考える環境づくりに関わりたい。そのために、現象学、解釈学、歴史哲学、現代思想の文献を丁寧に学びたい。
解決策or結論or結果の吟味
デジタルメディアを批判する議論は、紙の文化を理想化しすぎる危険がある。画面だから浅い、紙だから深いと単純に言うことはできない。
重要なのは、媒体ごとの経験の違いを具体的に記述し、どのような読解にどの媒体が適しているかを考えることである。私は、技術を拒否するのではなく、技術が思考をどう形づくるかを哲学的に分析したい。川口教授の下で、読むことと考えることの関係を研究したい。



コメントを残す