議論の整理
杉尾一准教授は、現代自然哲学、自然科学の哲学、量子情報の哲学、圏論の哲学を専門としている。研究紹介では、認識論と存在論・形而上学の伝統的区分を再考し、実体ではなく関係性を軸に、記述や理解の条件を捉える非存在論的な理論構築を目指すとされている。
共通の前提は、科学が示す世界像は単に事実の集積ではなく、私たちが世界をどう記述し理解するかという哲学的条件に関わるという点である。論点は、世界を独立した実体の集まりとして考えるのか、それとも関係や構造の網として考えるのかにある。私は、量子情報やAIが発展する時代に、世界を「もの」ではなく「関係」として捉える考え方に関心を持った。
問題発見
私が研究したい問題は、現代科学の知見が、人間の世界理解をどのように変えるかである。量子論、情報理論、脳の予測処理、仮想世界の問題は、見えている世界がそのまま実在を写しているという素朴な見方を揺さぶる。
科学の成果を受け入れるだけではなく、その成果が知識、実在、観察、記述の概念をどう変えるかを哲学的に考える必要がある。
論証
科学哲学では、観察が理論から独立しているのかが問題になる。観察の理論負荷性を考えると、私たちは世界をただ受け取るのではなく、理論や記述枠組みによって構成的に理解していることが分かる。
量子情報や圏論を参照すれば、個別の実体よりも関係、変換、構造が重要になる。これは、日常的な物の見方を超え、科学と哲学を接続する新しい世界理解を開く。
解決策or結論or結果
私は上智大学文学部哲学科で、杉尾准教授の科学哲学・自然哲学に学び、関係性を軸にした世界理解を研究したい。具体的には、量子情報理論における状態や観測の概念、脳の予測処理理論、仮想世界の問題を取り上げ、世界がどのような条件のもとで記述されるのかを考察したい。
将来は、科学技術と社会をつなぐ教育や研究広報の分野で、専門知を分かりやすく伝えるだけでなく、その前提を考えられる人材になりたい。そのために、論理学、科学基礎論、自然哲学、数学的思考を学びたい。
解決策or結論or結果の吟味
科学哲学が現代科学を扱うには、哲学的議論だけでなく科学内容への理解が不可欠である。概念だけを借りると、比喩的な議論に流れる危険がある。
私は、量子情報や圏論を安易に一般化するのではなく、基礎概念を学びながら哲学的論点を整理したい。杉尾准教授の下で、科学の最前線と哲学の伝統をつなぎ、知識の条件を問い直す研究を行いたい。



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