議論の整理
福井拓也助教は、ジャンル論を中心とした日本近現代文学を専門としている。文学ジャンルは、小説、詩、随筆、私小説、探偵小説、児童文学、ライトノベルのような分類であるが、単なる棚分けではなく、読者の期待、出版市場、批評、文学制度を形づくる枠組みである。
共通の前提は、作品はジャンルの規則を利用しながら読まれ、その規則を時に壊すことで新しい表現を生むという点である。論点は、文学作品を作者の個性だけで読むのか、ジャンルという共有された約束の中で読むのかにある。
問題発見
私が研究したい問題は、日本近現代文学において、ジャンルの境界がどのように作られ、変化してきたかである。ある作品が純文学、娯楽文学、児童文学、若者向け文学のどこに置かれるかは、作品評価に大きく影響する。
現代でも、ライトノベルやWeb小説が文学として評価されるかをめぐって議論がある。近現代文学のジャンル形成を研究することで、文学の価値を決める制度を考えたい。
論証
ジャンルは、作品の形式だけでなく、掲載媒体、読者層、販売方法、批評の言葉によって作られる。読者はジャンルを手がかりに作品を選び、作者はその期待を利用したり裏切ったりする。
また、ジャンルの境界は時代によって変わる。かつて低く見られた形式が後に研究対象となることもある。ジャンル論は、文学の価値が固定されたものではなく、社会的に形成されることを明らかにする。
解決策or結論or結果
私は上智大学文学部国文学科で、福井助教の日本近現代文学とジャンル論に学び、近代以降の娯楽文学と純文学の境界を研究したい。具体的には、雑誌掲載小説、探偵小説、若者向け文学を対象に、批評や広告がジャンルイメージをどのように作ったのかを分析したい。
将来は、出版や国語教育の分野で、文学を権威ある作品だけに限定せず、読者の文化やメディア環境とともに教えられる人材になりたい。そのために、近現代文学、メディア論、批評理論、書誌調査を学びたい。
解決策or結論or結果の吟味
ジャンル論を重視すると、個々の作品の表現の細部を読み落とす危険がある。分類の議論だけでは、作品がなぜ読者を動かすのかを説明できない。
私は、ジャンルの制度分析と作品の精読を往還したい。福井助教の下で、文学の価値がどのように作られ、変わり、読者に受け取られるのかを研究したい。
また、同じ作品が掲載媒体や読者層の変化によって違って評価される事例を追い、ジャンルが作品の読みを方向づける仕組みを具体的に検証したい。



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