議論の整理
山本成生教授は、西洋中世史、音楽・音楽家の位置付け、教会制度史を専門としている。研究では、ヨーロッパ中世における音楽のあり方、グレゴリオ聖歌、アヴェ・マリア、典礼、教会制度、音楽家の組織などを扱っている。
共通の前提は、中世ヨーロッパの音楽は芸術作品としてだけでなく、祈り、制度、共同体、文字記録と結びつく歴史資料であるという点である。論点は、音楽を美的経験として見るだけでよいのか、それとも教会制度や社会秩序を読み解く史料として扱うべきかにある。
問題発見
私が研究したい問題は、中世教会音楽が、信仰共同体と教会制度をどのように支えていたかである。聖歌は祈りの言葉に旋律を与え、人々の時間感覚や空間経験を形づくった。
五線譜のような記譜法の発展も、音楽の保存や伝達だけでなく、制度的教育や権威の形成に関わる。音楽史を通じて、中世社会の知と信仰の仕組みを考えたい。
論証
中世の教会音楽は、典礼暦、聖人崇敬、修道院や大聖堂の制度と密接に結びついていた。どの歌が、いつ、どこで、誰によって歌われたかを調べることで、信仰実践の具体的な姿が見える。
また、記譜法は音を記録する技術であると同時に、音楽を教え、標準化し、広域に伝える仕組みであった。音楽資料は、制度史と文化史を接続する重要な史料である。
解決策or結論or結果
私は上智大学文学部史学科で、山本教授の西洋中世史と教会音楽史に学び、アヴェ・マリアを中心とする聖母マリア信仰と音楽実践を研究したい。具体的には、典礼書、楽譜、教会記録を読み、聖歌が信仰共同体の形成に果たした役割を考察したい。
将来は、音楽文化や宗教文化を歴史的に伝える教育・展示に関わりたい。そのために、ラテン語、西洋中世史、教会史、音楽史、史料読解を学びたい。
解決策or結論or結果の吟味
音楽史研究では、現代の耳で美しさを評価しすぎる危険がある。中世の聖歌はコンサート用の音楽ではなく、祈りと制度の中で機能していた。
私は、音の美しさだけでなく、史料の使用環境、典礼上の位置、歌う人々の制度的役割を分析したい。山本教授の下で、音楽を通じて中世ヨーロッパ社会を読み解く研究を行いたい。
音楽を耳で楽しむ対象としてだけでなく、祈りを共同体に共有させる制度として読むことで、中世の信仰と知のあり方を具体的に考えたい。
さらに、楽譜や典礼書の形そのものにも注目し、音がどのように記録され、移動し、制度の中で受け継がれたのかを追究したい。



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