議論の整理
坂野正則教授は、フランス近世の宗教社会史・都市空間論を専門としている。研究紹介では、宗教と社会の関わり、都市を彩る文化事象と空間の関係、さらにヨーロッパ人と非ヨーロッパ人との異文化接触への関心が示されている。
共通の前提は、近世都市は建物や制度の集合ではなく、宗教儀礼、集団の信頼、権力、記憶が重なり合う空間であるという点である。論点は、宗教を信仰内容としてだけ見るのか、都市社会を組織する文化的・政治的実践として見るのかにある。
問題発見
私が研究したい問題は、近世フランス都市において、宗教的儀礼や空間利用が住民の共同性と排除をどのように形成したかである。宗教は人々を結びつける一方、異なる信仰や身分を持つ人々を区別する力にもなる。
現代の宗教紛争や文化財活用を考えるうえでも、過去の都市で宗教がどのように公共空間を形づくったかを知ることは重要である。
論証
近世都市では、教会、広場、通り、祭礼、行列が人々の秩序感覚を作った。空間は中立ではなく、誰が通り、誰が見られ、誰が参加できるかによって社会関係を示す。
また、宗教対立の時代には、同じ都市空間が信頼の場にも衝突の場にもなった。英語・フランス語史料を読み、政治史、文化史、都市史を接続することで、宗教と社会の関係を具体的に分析できる。
解決策or結論or結果
私は上智大学文学部史学科で、坂野教授の西洋近世史と都市史に学び、フランス近世都市における宗教儀礼と公共空間を研究したい。具体的には、祭礼や行列、教会空間、都市条例を対象に、住民の共同性と境界がどう形成されたのかを調べたい。
将来は、文化財保存や歴史観光の分野で、都市空間に刻まれた宗教と社会の歴史を伝える仕事に関わりたい。そのために、フランス語史料読解、西洋近世史、都市史の方法を学びたい。
解決策or結論or結果の吟味
宗教と都市空間を結びつける研究には、象徴解釈に偏りすぎる危険がある。儀礼の意味を読み込むだけでは、経済や政治の現実を見落とす可能性がある。
私は、空間表象だけでなく、制度、身分、人口移動、異文化接触も含めて分析したい。坂野教授の下で、近世都市を現代社会の課題にもつながる歴史的実験場として研究したい。
都市の宗教空間を読むことは、文化財を保存するだけでなく、誰の記憶を公共空間に残すのかという現代的課題を考えることにもつながる。
私は、地図や都市図像も活用し、儀礼が通った道や人々が集まった場所を具体的に復元しながら、宗教と都市生活の関係を検証したい。



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