議論の整理
大橋英司准教授は、管理会計と組織経済学、とくに業績評価制度に関する理論研究を行っている。企業では、売上、利益、顧客満足、チーム貢献など、さまざまな指標を用いて人や部門を評価する。評価制度は報酬や昇進に関わるため、従業員の行動を大きく左右する。
共通の前提は、企業が成果を高めるには評価制度が必要だという点である。論点は、測定しやすい成果だけを評価すると、測定しにくい協力や学習が軽視されるのではないかという点にある。私は、学校やアルバイト先で、数字に表れる成果だけが評価されると、裏方の仕事や長期的な改善が見えにくくなることに問題意識を持った。
問題発見
私が研究したい問題は、業績評価制度が従業員の短期的成果志向を強める一方、チーム協力や長期的成長を損なう場合があるのではないかということである。評価指標は行動を促すが、指標に入らない行動は軽視される。
企業が本当に必要とする成果は、個人の売上だけではなく、知識共有、後輩育成、失敗からの学習、顧客との信頼形成も含む。これらをどう評価に組み込むかが重要である。
論証
管理会計は、経営者が組織を運営するための情報を提供する。業績評価制度は、目標を明確にし、努力の方向をそろえる機能を持つ。しかし、不完全な指標に報酬を強く結びつけると、従業員は指標を良く見せる行動に集中する。
組織経済学の視点では、評価制度はインセンティブ設計である。測定可能性、情報の非対称性、リスク負担、チーム生産の特徴を考慮しなければ、制度は意図しない行動を生む。
解決策or結論or結果
私は上智大学経済学部経営学科で、大橋准教授の管理会計研究に学び、業績評価制度が従業員行動に与える影響を研究したい。具体的には、営業職、研究開発職、サービス職を比較し、個人指標とチーム指標の組み合わせが協力行動に与える影響を分析したい。
将来は、人事制度や経営管理の分野で、短期成果だけでなく学習と協力を促す評価制度づくりに関わりたい。そのために、会計学、組織論、経済学を学び、数字を人の行動と結びつけて理解したい。
解決策or結論or結果の吟味
協力や学習を評価に入れると、評価が曖昧になり、公平性を損なうという批判がある。たしかに、主観的評価が強すぎれば上司との関係に左右される危険がある。
私は、定量指標と定性評価を対立させず、役割ごとに何を測るべきかを整理したい。大橋准教授の下で、評価制度を単なる会計技術ではなく、組織の行動を設計する仕組みとして研究したい。



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